進む県産品の台湾進出 製造力乏しく好機逃す課題も 掴め2300万人市場

 

「バイオの島」で内外から産業活性を

 このような問題を打破するために、陳さんが描く提案はこうだ。

 「『バイオの島』はどうでしょう?健康長寿のイメージを利用して。バイオ原料の開発などにもっと力を入れるといいと思います」

 大規模な工場建設はすぐには叶わないにしても、人材育成は可能だ。

 「人材の養成センターみたいなところがあれば、沖縄には物産関係の会社だけではなく、バイオ関係で付加価値を付けようとする幅広い業種の会社が集まってくると思います」

 活用できる沖縄の一次産業品の例として、陳さんの口からは、モズクに含まれるぬめり成分であるフコイダンや、月桃、シークヮーサーなどが次々と挙げられる。

 沖縄大学に進学して以来、長らく沖縄と関わり続けている陳さん。「沖縄には優れた物がたくさんありますから」と、小さな島の大きな可能性に思いを馳せている。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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