協力金での店舗補償 際立つ昼と夜のコントラスト

 

 一方で、居酒屋などに行くことに対して県民に自粛ムードが広がる中で厳しい状況だったことも確かだ。「小規模の飲食店は自転車操業がほとんどです。飲食業は一度長期で閉めると先行きが見えなくなるので、コロナが収まった後に巻き返そうという気持ちを持ち続けられるという点で助かっています」と話す。

 同じような境遇の事業主の中には、協力金をできるだけ昼の店舗に回そうと積極的にお金を使っている人もおり、近隣の飲食店同士で互助的な動きが見られるという。「きっとみんな、ありがたさも後ろめたさもあると思います」

写真はイメージ(PAKUTASより)

 しかし、中規模店以上は事情が違う。40人ほどの収容規模で常時出勤スタッフを2人抱える本島中部の飲食店の店主は「スタッフの人件費は1人分しか保証できない」とし、緊急事態宣言後も協力金を受け取らずに営業を続けることを決めた。長期閉店後に客足が遠のくことも加味した末の決断だった。

 「逆にお店を開けていた方が、経済的にも楽ということはあります。『働く』という観点から見ても、働きたいのに働けない期間は従業員の元気がなくなっていくのが分かりました。今はみんないきいきしています」と話し、葛藤の中で店の行く末を天秤にかける。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1 2

3


長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ