協力金での店舗補償 際立つ昼と夜のコントラスト

 

 当日に要望・陳情を行ったのは、うるま市でリラクゼーション店を営む植木さん、読谷村でカフェを営む畠山さん、読谷村で沖縄そば屋を営む金城さんの3人だ。

沖縄県議会に陳情を出す畠山さん(手前右)ら有志メンバー(提供)

 時短や休業への協力金額の妥当性について、三密を防ぎながら20人収容で店舗営業する畠山さんは、「座席の稼働率が100%でお客さんが4周も5周もする“奇跡的な”大繁盛日でも、追加のスタッフさんの人件費などを差し引くと純利益は1万~2万円程度です」と話し、夜間の飲食店への支給額に対するアンバランスさを強調する。

 植木さんは「協力金を受けている店舗に対する非難では全くありません」と強調し、「あくまで理にかなっていない対応を続ける県政への不満です」と話す。畠山さんも「困っている人にしっかりと行き届く支援をしてほしいです。一部の業種の、一部の時間帯だけがバブルです」と続ける。

学費貯金を切り崩しながら

 金城さんは計3店舗の沖縄そば屋を運営している。「(昨年春の)第一波と(同夏の)第二波は全部閉めていたんですが、ことしに入ってからはもう、売り上げが立たないとお店が潰れてしまうので、動かないといけなくなりました」と振り返る。従業員の生活を守るため、個人事業主が対象の持続化給付金100万円も使って、スタッフの賃金に充てた。

 「借金しないと生きていけない」と笑い飛ばしてはみたものの、先の見えない現状とまだ戦い続けなければならない。

 畠山さんには、子どもたちのために10年以上もこつこつ貯めた学費があったが、現在はそれを切り崩して生活費に充てている。「貯金が一定額あると家賃支援を受けられないなどの条件があって、それを考えた時に学費を削り終わった後じゃないと助けてもらえないのかなと思います。子どもたちはどうやって進学したらいいんだろう」

コロナ禍での支援について「県政は理にかなった対応をしていない」と声をそろえる(左から)植木さん、金城さん、畠山さん=5月7日、読谷村内

夜営業の小規模店舗「後ろめたさもある」

 実際に、県内で夜の飲食店を一人で切り盛りしている40代男性は、一連の協力金支給でこれまでに総額約400万円を手にした。「もらいすぎかなって気持ちはあります。正直に言うと、ラッキーです」と打ち明ける。コロナ前の純利益と比較すると、結果として、協力金で約4倍の“稼ぎ”となったという。

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