差別と貧困の撲滅目指す服飾ブランド「PWP」名護から世界へ

 

手の洗い方が分からず病気になる人々

 名桜大学在学中に訪れたラオスやタイの農村部での経験が、アパレルを通した世界の貧困問題解決への思いを持つきっかけとなった。
 大学1年の春休みに、友人の誘いでラオスの村を訪れたことから国際問題に関心を深め、大学3年の春休みには、国際協力の研修プログラムに参加、タイの村でトイレを2基作ったり、ハチミツ生産を手伝ったりしていた。「ありきたりかもしれないんですけど、村の人たちはお金が無くても楽しそうで、幸せそうでした。自分自身もそのままここで暮らすことができたらとも思わされました」
 しかし、そんな日々の中でも直面したことがあった。
「基本的な教育が行き届いていませんでした。例えば、手の洗い方が分からずに感染症で亡くなってしまう人もいます」と、日本だと誰もが持っている知識がここでは当たり前じゃないことに驚いた。食べ物を取り巻く環境もまるで違った。「日本では余った食事をどんどん捨てているのに、タイのその村では食料は貴重なものでした」。この時に「本当に貧富の差を無くしたい」と心に決めた。

タイの村で子どもたちと(本人提供)
村の人たちと一緒にトイレを作る城間さん(中央、本人提供)

アジア人差別にも直面

 問題の矛先が自分へと向けられるケースも痛感した。それは差別問題だ。大学卒業後、オーストラリアにワーキングホリデーで滞在していた。アジア人であることから、地元の人に中指を立てられた。
 「めちゃくちゃショックを受けました。人種でこんなにも下に見られるんだ、と。普段はそうでもないんですけど、酔っぱらっている時とかはアジア人を指差して笑ったりとか。一度だけ『来るな、自分の国に帰れ』と言われたこともありました」

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