故国の「軍政」に抗議 ミャンマー人ら100人集結

 
ミャンマー国軍のクーデターに抗議する在沖ミャンマー人ら=2日、那覇市の県民広場

 ミャンマー国軍によるクーデターに抗議しようと、在沖ミャンマー人ら約100人は2日、那覇市久茂地の県民広場で集会を開催した。参加者らは、故国の窮状を訴えるとともに、「独裁支配最後の世代に」「国民統一政府を認めろ」などと書かれたプラカードを掲げて、人差し指、中指、薬指の3本を立てるサインで抗議の意思を示した。

 ミャンマーでは、2月1日に国軍による軍事クーデターが発生し、国軍はウィン・ミン大統領や与党の国民民主連盟(NLD)党首のアウン・サン・スー・チー氏らを拘束した。国軍のクーデターに抗議する民衆に対して、武力で弾圧し、これまでに700人以上の犠牲者が出ているという。

 4月24日にはインドネシアの首都ジャカルタでASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳会議が開かれ、ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官も出席した。議長声明には暴力の即時停止も盛り込まれたが、事態が改善する動きは見られていない。一部の少数民族と国軍の戦闘が激化しているという情報もある。

 抗議活動への参加を呼び掛けた沖縄在住13年というティリさん(36)は、故国で民衆が命をかけて毎日デモを行っていることを踏まえ、「コロナ禍で私たちが集まることで迷惑を掛けていると思うが、私たちが家にいる(抗議しない)訳にはいかない」と強調した。

 また、日本からメッセージが届くと力になるとして、「(皆さんから支援の)気持ちをもらえると力になると思う」と述べ、募金活動などへのさらなる支援を呼び掛けた。

国軍に対して抗議の姿勢を示す在沖ミャンマー人ら=2日、那覇市の県民広場

 同日は、沖縄や東京、名古屋など全国7カ所で午前10時から同時に抗議活動を実施。日本政府に対しては、国民統一政府NUGを正当な政府として認識することや、拘束されている全関係者の解放と暴力の即時停止をミャンマー軍に求めることなどを求めた。

 3本指のポーズは、2012年に公開されたアメリカ映画「ハンガー・ゲーム」で主人公が独裁者に対する抗議を示すポーズで、これまでに14年にタイで起きたクーデターの際にも、軍政に抗議するシンボルとして3本指を示し抗議活動が行われた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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