エロから“原点回帰”首里劇場 名物館長が案内 戦後5年から今

 

 「ここは、戦後にできた当時は『モダンなトイレだね』と話題だったんですよ」と金城館長。4月半ばのプレイベントに向けて一気に掃除をした。掃除に使った水は、今も現役で使われている敷地内の井戸からポンプで汲み上げたものだという。

男子トイレ。壁側の床に掘られた穴が便器となる汲み取り式だ。個室の扉はない。

 古いのは建物だけではない。随所にとにかく歴史がある。ステージ袖に飾られるように保管されていたのは、当時の企業の広告看板だ。

 電話番号は2桁しかない「45」。市町村表記は「首里市」だ。当時の首里市と真和志村が那覇市に吸収合併されたのが1954年なので、それ以前ということになる。

「昭和ずくめで錯覚して」

 これまでもいち映画館に留まらず、音楽イベントや映画祭の会場となるなど文化発信基地として異彩を放ってきた。近くの県立芸大の学生との企画イベントも構想しているところだ。
 金城館長による名画のセレクトで、首里劇場は72年目へと歩みを進める。
「館内も昭和のままで、映画も昭和の映画をすると。昭和ずくめで何かこう、錯覚してもらってね」
 大きなタイムマシン・首里劇場。男性800円、女性・障がい者500円ですぐに昭和へと旅立てる。


首里劇場
那覇市首里大中町1-5
098-887-5173

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長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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