エロから“原点回帰”首里劇場 名物館長が案内 戦後5年から今

 

 そんな金城館長が、仕事として数々の映画に触れてきたのが、2階にある映写室だ。映写室へと続く階段は傾いていて、年季の入ったフィルム映写機が2基鎮座する。今は映画配給がブルーレイディスクやDVDで行われるため、新しいデジタル機材を導入したばかりだ。

新しく導入したデジタル機材(中央)

明るく楽しい性の世界

 これまで、性をテーマにした映画の提供で、人々に寄与してきたという自負もある。「世の中、エロもないと潤滑にいかないものね。映画自体も悪くないですよ」。首里劇場の独自企画「巨乳女優総選挙大会」は、1月22日に最後となる106回目の開催を迎えた。受付で好きな女優に投票していくというものだ。このように、堂々と明るく楽しく“性”を提供してきた。

 名画座として本格稼働する5月1日から上映するのは、沖縄戦でのひめゆり学徒隊の悲劇を描いた『あゝひめゆりの塔』(1968年)だ。首里城の麓から、スクリーンを通して平和を考える。

成人映画の上映を終了するにあたり、18歳未満の観覧を断る旨の看板は倉庫の中へ

70年前のトイレ

 首里劇場には女子トイレがない。いや、正確には、ある。ただし、古すぎて現代のトイレとはかけ離れた状態のため、立って用を足せる男性はまだしも、女性には使用が厳しいだろうとの判断から、あえて「ない」と表現している。

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