玉泉洞の全容発見者・山内さん 世界1500洞窟巡る

 
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 1974年。先の見えぬ地底湖に潜って先に進もうとする若者は、同行の仲間にこう告げた。「5分経っても戻らなかったら、(自分が)死んだと報告して」。国内最大の鍾乳洞「玉泉洞」(南城市玉城)の全容を解明した山内平三郎さん(73)=八重瀬町=が当時残したセリフだ。当時は全長2km弱しかないとされていたが、自らの洞窟探検の知識と経験から「絶対に5kmはあるはずだ」と踏んでさらに奥を目指した末決死のダイブだった。そんな、玉泉洞の“その向こう”の発見者・山内さんに当時の様子を聞きながら、洞窟探検の魅力に迫る。

鼻の先から血を流し、誰も知らない場所へ

 国内でも屈指の洞窟探検団体・愛媛大学学術探検部のメンバーとして玉泉洞内を調査した山内青年。結果的には地底湖の底を這って5mも進めば先に抜けることができた。山内青年は、これまで誰も知りえなかった玉泉洞の後半部分に到達することができたのだ。ダイブの途中で鼻の先を石にぶつけて出血していた。「痛くて必死ですよ。第一、僕は山ばっかり行っていて、泳げないですからね」。真っ暗闇の水中をかきわける山内さんは、とにかく無我夢中だった。幸いにも、沖縄の水は冷たくなかった。

 玉泉洞は沖縄県民なら誰もが知っていると言ってもいいほどの有名観光スポットだ。現在は株式会社南都が運営する「おきなわワールド 文化王国・玉泉洞」内の施設として公開されている。

 八重瀬町在住で愛媛県出身の山内さんは現在、沖縄鍾乳洞協会理事長などを務めながら、熱帯カルスト地形で命綱を頼りにトレッキングする「ハンターバンの森」のツアーを開発、ガイドを務めている。道の駅「南の駅やえせ」の一角にツアーの窓口がある。これまで国内外約1500カ所の洞窟を巡ってきた。

道の駅「南の駅やえせ」
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