この1年で採用数を大きく伸ばした職種は 沖縄の転職から紐解く

 

 新型コロナウイルスの感染拡大で、いわゆる「コロナ禍」と呼ばれる状況になって1年以上が経った。沖縄県内でも雇用状況や働き方も変わっていき、転職市場にも影響が見られる。県内の中途採用市場に特化した人材紹介サービス「リージョナルキャリア沖縄」を運営する株式会社レキサンの島村賢太代表取締役は、この1年を比較して各業種ともにEC(ネット販売)事業、デジタル広告などに力を入れていることから「あくまで実感値として、デジタル分野の中途求人は2~3倍に増えた」と話す。また、沖縄の所得増に向けては独自の価値創出が不可欠だとして、その主体はあくまで“人材”だとの認識を示す。

採用が回復しつつある観光業界の管理職

 同社は求職者と企業を適切にマッチングさせることで、おおむね年収400万円以上の優良求人の紹介業を専業で行っている。2017年4月の開業以来、これまで約250社が登録し、約100件のマッチングを行ってきた。

 コロナ禍に突入したばかりの昨年3月や4月頃から、ホテルや飲食業といった観光関連産業からは離職者が続出していた。マネージャーや支配人、料理長といった管理者的な立場にある重要ポストの人材も流出することとなっていた。島村代表は「リーディング産業である観光業が壊滅的な状態でした。ミドルクラス求人に関して言えば8割ぐらいは減少したと思います」と語る。

株式会社レキサンの島村賢太代表取締役

 ただ、昨年10月頃を転機として、観光業など一度は沈んでいた業界業種でも、少しづつ採用の動きが息を吹き返しつつあるという。

 「やはり業務上の中核となれるマネージャーや支配人、専門職等は、非常に重要なポジションです。それまでは、コロナの収束状況が見通せない中での採用が進まない現状がありましたが『そもそも大事なポジションだから採用していきたい』という企業が少しづつ増えてきました。(1年前のコロナ禍の)当初はおそらく収益の目途が立たなかったということもあるのではと思います」

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ