この1年で採用数を大きく伸ばした職種は 沖縄の転職から紐解く
- 2021/3/29
- 経済
各企業のデジタル化推進でIT人材引く手あまた
そんな中、1年前と比較して「特に採用数を2倍から3倍は伸ばしているのではないか」(島村代表)という分野が、IT、とりわけデジタル関係の求人だ。コロナ前後も変わらずに採用活動は活発で、直接的に関連度が高いIT企業のみならず、全業種的にデジタルマーケッター、EC担当者、デジタル広告運用担当者、社内SEなどの採用が進んでいるという。
同社コンサルタントの長濱雅徳さんは「例えば、物販事業がECにシフトしないといけなくなってきました」と説明する。
消費者にとっては店舗に行って買ったりサービスを受けたりする機会が減り、事業者にとってはリモートワークの導入を迫られるなどの現状から、島村代表は「ECやSNSの運用ができる人材やDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル活用による業務やビジネスの改善)を進めることができる人材が求められています」と話す。企業のデジタル化は2種類に分けることができるといい「一つは自社のビジネスモデルそのものを変えることです。もう一つは業務改善をしていくことです。これは以前からあった流れなのですが、例えばペーパーレス化を進めたり、業務を自動化させたりすることです。このあたりの需要は増えました」
実際にリージョナルキャリア沖縄の採用情報を見てみると、全227件中(3月28日現在)で「ウェブ・クリエイティブ系」「ITエンジニア」の各カテゴリーに分類される求人は112件で、全体の約半数を占める。特定の専門ポジションとして「DX推進プロジェクトマネージャー」を新設・募集し積極的にビジネスモデルの変革を図る企業もある。
島村代表は「(DXは)やらないといけないものという意識が高まっていると思います。前々から経営者の感度が高い企業は実践しているところもありますが、今はどこの会社も、DXとまではいかなくとも、ITの力を業務に取り入れないと難しくなる時代です」と、人材ニーズの変化を語る。