2021沖縄の災害を振り返る(上)「全国初」の情報が2つも

 

 2021年が終わり、2022年が幕を明けた。昨年も各地でさまざまな災害が発生した。例年必ず発生する台風や大雨による災害の他に、新型コロナウイルスの影響や地震、そして現在も続く軽石漂着など、2021年に沖縄県内で発生した主な災害を2回に分けて振り返る。

 なおこの記事では、気象庁や関連する省庁、また各種の報道や研究機関が発表した災害に関する情報を参照している。

「全国初」の情報が2つも

 気象庁は、例年新たな気象情報の提供を開始している。その中で昨年から開始された「顕著な大雨に関する情報」と、同じく昨年から全国での運用が始まった「熱中症警戒アラート」に関して、沖縄での発表が全国初となった。

【顕著な大雨に関する情報】

「顕著な大雨に関する情報」は2021年6月17日に運用が開始された。開始後の6月29日02:49に、沖縄気象台が「顕著な大雨に関する沖縄本島地方気象情報(第1号)」を発表し、全国で初めての発表例となった。

 この情報は、非常に激しい雨が降り、災害発生の危険度の高まった場合に発表される情報で、もし発表された場合には、市町村が発表する避難の情報を確認し、適切な避難行動を取ること、とされている。夏になると、よく入道雲が発生して急な大雨が降ったり、落雷や竜巻などの激しい突風が起こるが、これが数時間に渡って続く状況を思い浮かべると分かりやすい。

【熱中症警戒アラート】

 もう一点は、昨年から全国での運用が開始された「熱中症警戒アラート」。こちらは2020年に関東甲信地方の1都8県で試行が行われ、その後検証を経て、昨年4月28日に全国での運用が始まった。こちらは5月11日17:00に「八重山地方熱中症警戒アラート(第1号)」が全国運用後初の情報として発表された。

 なお、夕方に熱中症警戒アラートが発表されるのは不思議かもしれないが、これは熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に前日17時と当日の朝5時に発表する、という運用のためで、この時も翌日12日05:00にアラートの第2号が発表されている。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ