「社会を変える大きなチャンスに」 温暖化対策・持続可能性を考えるゼロエミッションラボ沖縄

 
「ゼロエミッションラボ沖縄」の鹿谷麻夕さん(左)と杉山早苗さん

 「SDGs」や「持続可能性」といった言葉がこの数年で急激に定着し、日常的に使われるようになってきた。今年3月、沖縄県は気候変動が進行すれば自然環境をはじめ社会生活や経済いも悪影響が懸念されることから「気候非常事態宣言」を発表。2050年度に向けて温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするとした。
 ただ一方で、温暖化対策や環境問題については、テーマが漠然としており日々の生活の視点からではなかなか意識しづらいという面もある。

 そこで2030年の持続可能な沖縄の社会を目指して、行政や事業者、県民を繋ぐための活動に取り組む「ゼロエミッションラボ沖縄」の共同代表の鹿谷麻夕さんと事務局長の杉山早苗さんに、沖縄の温暖化対策と持続可能性についての考え方や課題について聞いた。
 2021年を振り返り、2022年の沖縄を見据える年越しインタビュー第2弾。

総合的に話すための「場」が必要

 ―今年は県の「気候非常事態宣言」も出ましたが、それ以降の県の取り組みの動きや現状での課題などありますか。

 鹿谷麻夕さん「県が発表した宣言はメニューとしての項目は挙げてはいますが、いつまでにどのように、という戦略が薄いと思います。それを示すようなきちんとしたヴィジョンが欲しいですね。

 気候変動への適応策と温暖化対策、CO2を削減しながらのエネルギー政策を考えるのであれば、これからは環境とエネルギー政策とを一本化した『温暖化対策』として考えなければ整合性はとれません。行政としての取り組みを進めていくためには、総合計画などに入れ込んで動く必要があります。

 そのためにも、行政や企業、そして市民も一緒に肩を突き合わせて温暖化対策について総合的に話せる『場』が欲しいところです」

 杉山早苗さん「沖縄県は環境省が打ち出している2050年の『脱炭素社会の実現』にも賛同して姿勢を合わせています。そんな流れもあるので、是非県としての積極性も見せてほしいですね」

 ―気候変動による環境の変化は地球規模の大きなトピックスなので、暮らしの中ではなかなか意識しづらい面があります。

 鹿谷さん「確かにそれは否めないですね。先日県内のとある市町村の職員から『脱炭素って何ですか?』と言われたくらい、まだまだ温暖化対策は浸透していません

 これはある意味ではまだ沖縄は“幸せな状況”なのかもしれない。県外では夏に40℃近い気温で大変になることもありますが、沖縄の最高気温はそこまで上がらない。でも一方で、自然環境は確実に変化しています。

 海水温の上昇などでサンゴの白化がどんどん進行していることもそうですし、干潟や浅瀬にいたっては夏の水温が海水がお湯のようになってしまっていて、その温度に対応できる生物しか生き延びていない印象です。10~20年前と比較すると、原因が温暖化だけではないにせよ、生物の数は激減しています」

 杉山さん「まだ温暖化をかつての“公害”のような感覚で捉えていて、人間社会全体の問題として見ることができていないですね。『環境問題は生活に余裕がある人が考えるもの』というイメージの人も多いのではないでしょうか

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