緊急事態宣言解除後、観光客はいつ戻る? 夏は観光インフラに懸念も
- 2021/3/26
- 経済
玉城デニー知事は25日にコメントを発表し「予想以上に大きなリバウンド」としながら「飲み会が最も感染リスクが高い」と述べた。5人以上での飲み会自粛と、4人以下・2時間以内での開催、さらにマスク着用と消毒の徹底を呼びかけるとともに、26日夕方以降、感染者の多い那覇市や沖縄市での巡回活動を実施する方針も示している。
具体的対策「県は発信していない」
「今のところ宿泊の予約に大きな動きはない。感染者が増えている中、ゴールデンウィークにまた宣言発令を懸念しているとかもあるみたいだけど、むしろそれよりも夏以降の受け入れ体制がどうなるかが1番気がかりだ」
こう話すのは那覇市内でホテルを経営する男性だ。コロナ禍に入り、特にレンタカーは維持費の確保が困難なため、まとまった台数を手放したり処分したりした営業所も少なくないという。「このままだと夏にお客さんが大きく動き出した時にレンタカーが足りなくなるということも起こりうる。こんな歪みが他でもどんどん出てくるんじゃないか」
宿泊予約は緊急宣言前から卒業旅行が少しずつ入っている程度で、4月以降は「ほぼ動きはない」。さらに「そもそも国がGo To事業に二の足踏んでるから、GWでの旅行についてもまだ用心している状態が続いているのだと思うし、まだ2、3ヶ月はこの感じが続くだろう」とも指摘する。
これまでのマイナスも含めて、今後宿泊商品で利益を出していこうと思うならばGo To分の割引で売り出せば需要は生み出せるが、そうなると事業規模が小さい所は「ますますジリ貧になってしまう」。
県の消極的な対応にも業を煮やす。
「正直、県も結局自粛を呼び掛けたりする程度で、具体的な対策の発信をしてないし先陣きって何かやろうという気も感じられないでしょ。これからどんな対応するか分からないけど、旅行客が動き出したタイミングで受け入れの観光インフラが準備されてないと何も始まらない。こうした所にもちゃんと配慮してほしい」
コロナ禍になって1年が過ぎ、感染拡大に配慮した生活が日常となっていく中で、観光業を経済の基幹とする沖縄は、コロナ以前からの“ツケ”も含めたたくさんの大きな課題に直面し続けているのが現状だ。どう解決していくのか、どう脱していくのか「観光立県」としての対応が問われている。