「市民の選択、真摯に受け止める」落選の下地氏 宮古島市長選

 

 「我々の感覚では、期日前の動きだと接戦になったら絶対に負けないと思っていたし、そもそも負けると思っていた人はいなかったと思う」(選対関係者)

 最終的な票差についても「信じられない。相手が1万5000票取れた意味が分からない状況。ともかく今はもう、浸透し切れなかったとしか言えない」と戸惑いと驚きを交えて話した。
 選対幹部は「与党議員全員、東京もついているということで甘えも大きかったのかもしれない。1枚岩ではなかった部分もあった」と振り返った。

相手陣営の当確の報を聞く下地陣営の関係者

コロナ禍で「刷新」が求められた

 巷の有権者からは今回の選挙について「座喜味さんの方が特別いいというわけではない」という声も多く聞こえてきた。

 両陣営の打ち出した政策には無党派層の関心を引くことができるような独自性もあまりなく、両候補の年代にも大きな差は無い。有権者の判断材料は最大の焦点となった「継続」か「刷新」かという点にほぼ集約された。
 「新しい日常」や「ニューノーマル」という言葉も出てきているコロナ禍において、「コロナだからこそ安定を」と訴えた下地陣営よりも、時代と状況の変化の中で市政を「刷新」することを強調した座喜味陣営の方が時流に乗り、主に変化を求める無党派層の票が動いたと考えられる。

 開票日の夜、宮古島市平良の選対事務所で結果を受け止めた下地氏は、当選した座喜味さんについて「未来に向かった新しい宮古島を作っていただきたいと思う」と述べた。

次ページ:
1

2


真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ