琉球史上で最も重要な地は北中城⁉︎ 私的考察

 

イケムラ的仮説

 仲順の「高台」にあったナスの御嶽には三王が祀られている。そして御嶽近くには仲順大主の墓、そしてその裏には舜天の墓と言われる墓がある。さらに森の中には、義本の墓とも言われる「うなじゃらうはか」がある。

 この墓たちは今でも高台にあり、仲順集落も昔は高台の位置にあった。後に集落が中腹に移って来る際、墓までは移動させず人々と一緒に位牌だけが集落内に移り、現在まで集落内の祠の中で大事に安置されている。しかしなぜか3つの位牌の中に舜馬順煕の位牌は無く、仲順大主の位牌が他の二人の「王」と一緒に祀られている。

 さらになぜか舜馬順煕の墓だけが確認できない。ここまでくると、実はこの二人が同一人物なのでは!?という考えに信憑性が出てきてもおかしくはないのではないだろうか。

 もしもこの仮説が正しいとするならば、これらの三王は明らかに浦添よりも「北中城(中城)」の方と強い関係性があったと言えるのではないのだろうか。

 さらにはこうも考えられる。舜天は王位在位期間がとても長かったと言われている。舜天が亡くなり舜馬順煕が王位に就いた時には、彼はもう50を超えていたと言われている。

 そうなってくると、こうも考えられないだろうか?自らの命はもう先も長くないし、自分の子である義本へなるべく早くに王位を譲り、自分は仲順へ隠居。もしくは舜天の王位期間に元々仲順で暮らしており、仲順大主として人々の暮らしを見守りすでに村中の人から慕われていたのかもしれない。

 その義本が王位に就いた直後、世の中は大飢饉に見舞われてしまう。義本は自分の不徳を嘆き王位をその当時の摂政、王族とは血の繋がりの無い「英祖」に譲ることとなる。

その後義本自らは、自分の「親」である仲順大主に匿ってもらい、その地で身を隠すように王妃と供に暮らし、眠りについたというストーリー。

 なぜ匿ってもらう必要性があったのか。そしてなぜ舜馬順煕は王としてではなく仲順大主として暮らしていたのか。それはおそらく、義本から英祖への王位禅譲が和平的ではなく、当時義本の摂政を担っていた「英祖」によるクーデターとして奪われたものではないかと考えられるからだ。舜天王統に関する血筋の人間だと分かれば抹殺される危険性があった。

 仮に平和的な禅譲であれば、英祖はかつて自らが仕えた王、なんであればその王統の先王たちを手厚く葬り後世までその王陵をしっかりと管理させたはずだ。

 自らはあれだけ素晴らしい浦添ようどれという王陵を造り、今の時代まで立派にその存在を誇示し続けているにも関わらず、なぜ先王たちの墓は北中城の山の中にひっそりと隠れるように存在しているのか。

 まさに琉球ミステリー!しかしこの私の仮説に沿うと妙に納得もいくのではないだろうか。またそう考えてみるとやはり、舜天王統三王は浦添よりも北中城の方に深い関係性を感じられる気がするのだ。

 浦添拠点説を否定するつもりはないが、北中城には新しい琉球コンテンツとして今後が楽しみなストーリー性が十分にあるのではないだろうか。

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池村 純

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沖縄情報英字ウェブマガジン Okinawanderer、外国人向けライフスタイルサイト Okistyle を運営する(株)琉球プレスの代表。日々外国人と民間業者および県民との接点を作り出すコーディネーター、コンサルタントとしても活動。2018年より毎週火曜日午後7時台エフエム沖縄『Share TIME』にボス・イケムラとしても出演し、沖縄の隠れた魅力を発信中!

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