「下地島は成長が見込める数少ない路線。力を入れていく」 スカイマーク 佐山展生会長インタビュー

 

――そもそもどうして下地島空港への就航を決めたのですか?

 2年以上前でしたか、三菱地所さんが下地島を開港するというので来られました。空港の絵をみせてもらいましたが、素晴らしいと思った。でもすぐに就航、というわけにはいきません。その後、羽田空港発着枠の「政策コンテスト枠」に応募することになり、宮古島や沖縄県のみなさんと応募しました。その結果、補欠のトライアルということで1枠の配分をいただきました。

 スカイマークはかつて宮古島や石垣島に那覇から飛んでいました。2015年の民事再生法の適用で両路線を閉じましたが、それで(競争がなくなって他社便の値段が)だいぶ上がったと。再度出てほしいという話は頂いていました。みんなが飛んでいるところに行っても仕方がないというのもあった。

 下地島は宮古島列島の一つではありますが、宮古島空港とはぜんぜん違う雰囲気の空港で、面白いのではないか。それに、羽田から宮古島の運賃を見ると片道6万円くらい。一昔前のハワイに行って帰ってこられる料金です。羽田から下地島に飛ばせば、乗っていただけるのではないかと。こうしたことから下地島への就航が固まっていきました。

外国エアラインとのコードシェアも

――コロナ禍で経営の舵取りにも影響がありましたか?

 海外への見方が180度変わった。成田-サイパン線の初就航やパラオにチャーター便を飛ばしたときにも申し上げたのは、将来は欧米も飛ばしますと。本気でそう思っていました。でも、それはリスクが高すぎると思いを改めた。自社の飛行機でわざわざ外国に飛ばす必要は必ずしもない。メインは外国エイラインとのコードシェアでいい。

 外国から飛んで来る航空会社との共同運航で、スカイマークの便名をつけて海外に飛ばす。その航空会社の便名で羽田からスカイマークの飛行機で国内各地に飛ばす。需要がもとに戻れば、コードシェアで売る席があるのかという問題はありますが、海外を自社機でやるのはリスクが高すぎる。今回のコロナからの学びは、そういうことです。

 また、キャッシュイズキングであること。昔から言われている古い言葉ですが、今回痛感しました。業種に関係なく、目指すべきは固定費の6ヶ月分のキャッシュを持つこと。さらに固定費の6ヶ月から12ヶ月分の借り入れ余力を持つことは必須だと思った。お金があれば人は使ってしまうものだが、そこまでは貯めるべきだというのが教訓です。

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