「下地島は成長が見込める数少ない路線。力を入れていく」 スカイマーク 佐山展生会長インタビュー
- 2020/12/14
- 経済
沖縄の観光需要が低迷し、県内の航空関連産業も大きな影響を受ける中、スカイマークの下地島線が存在感を示している。10月25日に下地島-羽田(1往復)、神戸(1往復)、那覇(2往復)の3路線を開設した同社の佐山展生会長に、手応えと今後の経営の見通しを聞いた。
――下地島路線に就航して2ヶ月近く経ちましたが、手応えは?
全体が落ち込んでいる中で下地島は好調です。年末年始の予約状況もいい。那覇-下地島はまだ認知されていないが、羽田、神戸からは乗ってもらっています。那覇線には11月26日からは、片道6800円の島民割引も導入しました。下地島空港は駐車料が無料だし、新しい空港でロビーがすばらしい空港。そのあたりを知っていただければと思います。
観光としては、こんなに素晴らしいところはない。むちゃくちゃきれいです。いままで見た海の色で一番きれい。なぜきれいか聞くと、川がないからなんですね。海が汚れるのは川のせいなんだけど、あそこは湧き水だけ。いろんな人と島に行きましたが、ほぼ全員、もう一回行きたいとおっしゃる。
空港ターミナルもあんなに居心地のいい空港はない。木でできていて、風が通る。日本の空港の中で、ナンバーワンのターミナルだと思いますよ。以前、阪神タイガースの岡田彰布元監督と話していたら、オリックス時代の宮古島キャンプで、下地島もよく行ったと。ゴルフ場もよくご存じだった。ゴルフが好きな人にもすばらしい場所です。
――羽田だけではなく、神戸からも就航しました。
羽田は1往復だけですが、その飛行機をどこからどうするか。そこで、私は神戸からも行けると、強く言ったんです。神戸で話を聞くと、関空から宮古島というより、神戸から行きたいという人が多い。乗る人は神戸からのほうが、羽田より多いくらいです。
1往復を2〜3往復に
――全国どこもそうですが、沖縄の観光も非常に厳しい。ジェットスターは下地島線を運休していますが、スカイマークはどう展開しますか?
増便をぜひやりたい。増便すれば時間帯が選べるようになります。神戸、羽田線は順調に育てば近い将来、2往復、3往復と飛ばしたい。那覇もいま2往復だけど、3往復、4往復としていきたい。下地島は成長が見込める数少ない路線です。
航空需要は国内はいずれ戻ってくるんですが、海外からの客が戻らない。その影響が大きい。ただ、日本から海外に行きたい人は、じっとしているというより国内でも行く。その中でも南の嗜好の方、ハワイなどに行っていた人は沖縄に行く。それで一回下地島に行かれたらもう「ハワイではなく下地島」となります。
下地島は全国的にはまだほとんど知られていません。宮古島、伊良部島と橋でつながっていることを知っている人も、日本でも1%いるか。空港に着陸してタラップを下りるだけで感激する。異国の別世界。あんなふうに感じる空港は、全国どこにもありません。目隠しをして飛行機に乗って、サイパンに着きましたと言ってもわからないくらい。そうした魅力を、イベントなどを通して広く知ってもらおうと考えています。