「下地島は成長が見込める数少ない路線。力を入れていく」 スカイマーク 佐山展生会長インタビュー

 

――今年は、JCSI(日本版顧客満足度指数)調査の「国内長距離交通部門」で 初めて顧客満足で1 位になりました。

 顧客満足1位は今年1番のニュースです。定時運航率は3年連続1位ですが、顧客満足はスターフライヤーが11年連続日本一だった。その牙城を崩したいとやってきて、今回、初めて日本一となった。いろいろ努力はしてきましたが、一番大きかったのは、2年前から搭乗券にQRコードをつけて、アンケートを取り始めたこと。乗った空港の印象5点満点、機内の印象5点満点、スカイマーク全体の印象5点満点。そして何かご意見あればと。メールアドレスを書いて送ってもらうと、アイスクリームや宿泊優待券などがあたる。

 3.5%の回答率ですが、数にすると400~500人、多いときは1000人の方に毎日評価してもらっている。コメントももらっています。普通、航空会社に連絡してくる人は、よっぽど喜んだか、よっぽど文句がある人です。わずかしかこない。このアンケートでは、ちょっと気がついたことを言ってくれる。これを各部署の朝会などで報告する。中身は毎週分析し、月一回は詳細な分析もする。お客さんからもらった点数は空港ごとに出てくるので、どこの空港が100点満点中何点と、一目瞭然です。顧客満足度は定量化が難しかったんですが、これで完璧に定量化できる。

 その点数を見て何をやるかは、空港ごと、現場ごとで判断します。本社でこれをやってねというものではなく、それは現場しかわからないこと、できないことです。大手航空会社は、機内の清掃、グランドハンドリングなどを担う関係会社がたくさんあります。ソラシド、スターフライヤー、AIRDOはANAグループがやっている部分も多い。定時運航率もそうですが、顧客満足度を上げるには、これが一つにならないと難しい。スカイ-マークはそれを一つの会社でできるので、総合力を発揮しやすいんです。

 いまはコロナ禍で航空業界は厳しい状況ですが、社員のやりがいになるのは、お客さんが満足するサービスを提供して、ほめてもらうことです。お客さんにありがとうと言ってもらうと、それが次へのエネルギーになる。アンケートを取ることは、そうした声を集めることでもあります。お客さんの声がタイムリーにたくさん入ってくる仕組みがあるのは、我々にとって大きな強みになっています。

さやま・のぶお
1953年生まれ。京都市出身。76年京都大学工学部卒業後、帝人入社。三井銀行を経てインテグラルを共同創設。2019年から現職。

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