元祖・空手出版ジャーナリスト 仲宗根源和 沖縄空手の世界⑦

 
晩年の仲宗根源和

 昭和初期に空手界で活躍した人物がいます。この人物がいなければ空手の流れ、歴史は変わったものになっていたことでしょう。その人物とは仲宗根源和。社会運動家、政治家、実業家、著述家であり、昭和初期は空手評論家、武道評論家という肩書もありました。

空手出版の祖は沖縄から

 空手界で空手評論家という人はこの仲宗根源和と金城裕の二人しか聞いたことがありません。仲宗根源和は中立の立場で空手に関心をもち、時の空手界の長老達と接していました。沖縄と東京を行き来しながら富名腰義珍、屋部憲通、花城長茂、城間真繁、宮城長順、喜屋武朝徳、本部朝基、摩文仁賢和、知花朝信、遠山寛賢、許田重発、平信賢、大塚博紀などの錚々たる空手家と接していました。

 新聞メディアにも通じており空手を紹介。そして、後に貴重な空手文献資料となる「空手研究」(1934年・昭和9年)、「空手道大観」(1938年・昭和13年)、「空手の話」(1939年・昭和14年)を発行します。「空手研究」は初の空手雑誌であり流派会派を問わず技術研究、空手情報、他武術を紹介する内容でしたが創刊一号のみの発行でした。

1936年、「空手道大観」出版準備会の仲宗根源和(右から二番目)

 また、糸東流流祖の摩文仁賢和と共著で「空手道入門」(1935年・昭和10年)を発行。摩文仁賢和は糸東流を創流して空手書を仲宗根源和の空手研究社興武館から手掛けていました。お互いに本土に通じており協力して共著を世に出すこととなったのでしょう。

仲宗根源和とは何者か?

 仲宗根源和は1895年(明治28年)、沖縄県国頭郡本部町に生誕。沖縄師範学校を卒業後、小学校教員になる。この頃、歴史学者の比嘉春湖の啓発を受けて社会主義運動に目覚めたと言われています。東京に上京してからは社会主義運動の傍ら柳田国男と知遇を得て民俗学にも関心を持ち、その後、出版事業に関わるようになりました。それが後の空手書を制作発行することにつながっていったと思われます。

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