八代市(熊本)受け入れで協議 多良間村 台湾有事などの避難想定

 
1月30日に沖縄県庁で開かれた「県国民保護共同図上訓練」で発言する多良間村の来間玄次政策参与・総務財政課長(中央右)

 「台湾有事」などで沖縄を取り巻く状況が悪化した場合、政府は宮古・八重山地域から住民や観光客など約12万人を九州・山口へ避難させることを想定している。政府、沖縄県、熊本県はこのほど、多良間村の住民については熊本県八代市が受け入れるとし、避難する場合の計画について策定の協議を始めた。宮古島市などの住民については、移動先の自治体は決まっていないという。

 これまで、政府や沖縄県などは避難の図上訓練を実施してきた。1月30日に県庁で開かれた、2回目の「県国民保護共同図上訓練」には、沖縄県、宮古島市や多良間村を含む先島5市町村、防衛省、消防庁、海上保安庁、内閣官房、多良間海運などが参加した。

 同訓練では、多良間村からの避難方法として主に航空機を活用し、50人乗りの琉球エアーコミューター(RAC)航空機1日最大11便で、2日間かけて島民などを宮古島に避難させ、そこから航空機で鹿児島空港に改めて移動することが示されたという。船舶での移動は、ペットの同伴を希望したり、航空機への搭乗が困難だったりする住民を想定する。

 ただ、同日は鹿児島空港から移動する自治体が示されていなかったため、多良間村からは早期に自治体を決めるよう要望が上がり、八代市の選定に至ったという。

 2月19日には、同村の来間玄次政策参与・総務財政課長が同市を訪問。避難先として想定されている市総合体育館「八代トヨオカ地建アリーナ」などを訪れて視察した。避難計画は3月中にとりまとめる。

 避難期間は、現状で1カ月程度を想定しているといい、今後は、鹿児島空港からの移動手段や食料、生活物資などの供給方法などの詳細を詰めていく。


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