離島出身者ら、家族で先祖供養 旧十六日祭 那覇市のミーグスク
- 2024/2/26
- 社会
あの世の正月とされる「旧十六日祭(ジュウルクニツ)」の25日、那覇市のロワジールホテル那覇の裏手にある三重城(ミーグスク)には、降ったり止んだりの小雨模様の中、宮古や八重山など県内の離島出身者が家族や親族らと訪れて、重箱や果物、泡盛、線香などを供え、それぞれふるさとの方角に向かって手を合わせていた。
参拝者の中には、敷物の上に豚肉やカマボコ、天ぷらなどを盛りつけた重箱を並べ、あの世でお金に困らないようにウチカビ(打ち紙)と呼ばれる「紙銭」を焼いて、先祖を供養する家族連れなども見られた。
ふるさとの伊良部島を離れて40年近くになるという、浦添市に住む仲間清陽さん(55)は、妻や子と3兄弟家族を含めた20人の大人数で、先祖が眠る伊良部島の方角に向かい、手を合わせた。
仲間さんは「毎年、兄弟家族とそろって来ている。旧十六日は久しぶりにみんなが集まる良い機会になっている。先祖には、昨年を無事に過ごせたことへ感謝し、今年もみんなが健康で仲良く生活が送れるよう、見守ってほしいとお願いした」と話した。
宮古や八重山、久米島などでは、旧十六日祭は沖縄本島で旧暦3月に行なわれる「清明祭(シーミー)」以上に、盛大な先祖供養の恒例行事となっている。沖縄本島に住み、その日ふるさとに帰れない離島出身の家族などが、那覇市の三重城を訪れてごちそうを供え、それぞれが生まれ島に向けて手を合わせて先祖を供養する。