大綱引きは那覇だけじゃない!「与那原大綱曳」の魅力に迫る

 
3年ぶりに開催される沖縄三大綱引きの1つ「与那原大綱曳」

 沖縄の綱引き行事でまず頭に思い浮かぶのは「那覇大綱挽まつり」だろう。昨年、一昨年とコロナの影響で中止を余儀なくされたが、今年は3年ぶりの開催が決定し綱引きファンはすでにチムドンドンしているに違いない。しかし、那覇の大綱挽に引けを取らず華やかで盛り上がるのが「与那原大綱曳」だ。那覇大綱挽の歴史が1450年頃に遡るのに対し、与那原の大綱曳も1500年代に始まったとされる。その与那原大綱曳まつりも当初の7月から延期を経て、10月29日と30日に開催が予定されている(大綱曳は30日のみ)。

 今回は与那原大綱曳まつりを前に、その見所や興味深い歴史を紹介しよう。

起源は五穀豊穣を願う神事

 綱引き行事は世界各地で行われているが、日本で行われる綱引きの大半の起源は神事であり五穀豊穣を願う豊作祈願だ。

 沖縄各地に広がる綱引きにも様々な起源があり、それらにまつわる昔話も多彩だ。例えば与那原の場合は、その昔害虫の異常発生で農作物が襲われ村中大飢饉となり、村人全てが餓死寸前のところまで追い込まれた。困り果てた村の長が姥捨山に捨てられた老人を訪ね教えを請うたところ、「野山の草を集めて焼き、皆で鐘やドラを叩き大声を出しながら綱を引くように」と教わった。その通りにやってみたところ、害虫は綺麗さっぱりいなくなった。このことを聞いた国王は、その後も毎年綱を引いて豊作祈願することを推奨し、老人を捨てることを禁じたと言われている。

 この昔話にちなんで、与那原大綱曳は現在でもその全工程が非常に長く、関係者は旧暦4月にアブシバレー(害虫除けの祈願)、5月ウマチー、6月ウマチー(稲の豊作祈願)を行い、そこから最終的な綱引き行事(祭り)へと繋げる伝統を守り続けているのだ。ちなみに与那原大綱を編む藁は近年金武町から譲ってもらっており、祭り本番に向けて各地区で綱網作業がすでに始まっているようだ。綱は雄綱、雌綱合わせ長さ90m、総重量5トンにもなる。

 綱を編む作業は市内外在住問わず誰でも参加可能で、自分が編んだ綱を自分で引くという貴重な体験もできる。作業場所や時間などの詳細は与那原町観光ポータルサイト「YONABARU NAVI」で確認して欲しい。

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