辺野古「代執行」訴訟で沖縄県敗訴 「今後の対応を検討」

 
判決を受け、玉城デニー知事のコメントを発表する池田竹州副知事=20日、沖縄県庁

 米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる「代執行」訴訟で20日、福岡高等裁判所那覇支部は沖縄県の主張を退ける判決を下した。同判決では、移設先である大浦湾の海底に軟弱地盤が見つかったことにともない、沖縄防衛局が求めている工法変更を承認するよう県に求めている。期限は25日。
 
 一方、判決の付言では「歴史的経緯などを背景とした沖縄県民の心情も十分に理解できる」と指摘。その上で「国と県とが相互理解に向けて対話を重ねることを通じて抜本的解決が図られることが強く望まれる」とした。

 今回の判決により、県が期限内に工法変更を承認しない場合は、国が県に代わって承認する「代執行」が可能になった。これまで、玉城デニー知事は工法変更を不承認とするなど、辺野古移設について阻止を図ってきたが、辺野古をめぐる動きは大きな局面を迎えたといえる。県は、判決内容を踏まえ、今後の対応について検討していくとしている。

 判決を受け、池田竹州副知事は同日夕に県庁で会見し、「多くの県民の民意に即した判断を期待していただけに、極めて残念」との玉城知事のコメントを発表した。また、コメントでは「自主性・自立性を侵害して新たな軍事基地を建設しようとする国の代執行は、多くの県民の負託を受けた知事として到底容認できるものではない」と強調した。 

 「県民の心情もまた十分に理解できる」とした判決の付言についても触れ、「そうであるならば、この点を反映した判決がされるべきではなかったか」とも主張した。 

 県によると、玉城知事は19日から発熱があり、20日午前に診断をうけたところ大葉性肺炎と診断されため、26日ごろまで知事公舎で療養することになったという。会見した池田副知事は、今後の対応について「弁護士、知事とも電話などで連絡を取りながら調整している。25日までは時間があるので、しっかりと検討していきたい」と語った。   


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