沖縄県側「3000億円以上」を要望 24年度の沖縄振興予算

 
沖縄県庁

 沖縄県の池田竹州副知事は4日、岡田直樹沖縄担当相に対し、24年度の沖縄振興予算は総額で3000億円以上(3200億円程度と国土強靱化関連)とするよう求めた。要請書では「一括交付金が減額基調にあり、県と市町村の各事業で遅れや規模の縮小などが起きている」と指摘して、同交付金の増額を強く訴えた。

 各省庁が24年度の予算を財務省に求める「概算要求」が、今月末に行われる。沖縄振興予算は岡田大臣が所管する内閣府沖縄関係部局が行う。今回の要請は、概算要求を前に県が内閣府に要望した形となる。

 沖縄振興予算をめぐっては、13年に安倍晋三首相(当時)が仲井真弘多知事(同)に対して、14年度から8年間にわたり3000億円台を確保すると表明。実際、沖縄振興予算は21年度まで3000億円以上を維持した。

 一方、8年の期限が過ぎた後の22、23年度は、いずれも約2680億円にとどまる。県は、昨年度も今回と同様の要請を行っており、要望が通るかは未知数といえる。


 沖縄振興予算の減額で、多くの割合を占めているのは一括交付金だ。3000億円台を維持していた21年度と、続く2年間を比べると、予算全体で減少した額のうち3分の2は同交付金だった。市町村や民間などが行う事業を国が直接支援する「沖縄振興特定事業推進費」はあるが、同交付金の減少を補うには至っていない状況だ。

 県は、一括交付金のうち、沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)について、「特に社会資本整備(道路など)への影響が著しい」と訴えている。

 沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)についても「今後も減少が続けば、各種課題への取り組みにさらなる支障が生じる」と指摘した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)
 

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