沖縄県の玉城デニー知事は県庁で4日、大型で強い台風6号接近に伴う災害対応について、東京の谷公一防災担当大臣とオンラインで協議し、被害状況の報告や国への支援を要望した。協議は、冒頭のみ公開された。
玉城知事は「台風6号による県内各地での甚大な被害が確認されている。特に社会生活基盤の脆弱な小規模離島では、生活物資の不足や停電、断水など県民生活への深刻な影響が続いている」と窮状を訴えた。
これに対し、谷大臣は「関係省庁災害対策会議などを開催し、政府一体となって災害対応に取り組んでいる。国としても全力を尽くしていきたい。協議の内容は、岸田総理に報告する」と述べた。
協議の終了後、玉城知事は「谷大臣へは、各部局の要望概要を説明した」と話した。農林水産部の要望では、▽倒壊、破損した畜舎やハウスなど農林漁業施設の早急な復旧支援▽果樹や野菜など農産物の冷蔵保管施設の整備▽マンゴーなど滞貨に係る輸送手段の確保―などを挙げている。
溜政仁知事公室長によると、谷大臣は「農家の生産意欲が削がれることが問題なので、それを避けることを第一にしなければならない」と述べたという。
9市町村に「災害救助法」適用
また、県は継続して救助を行うため、県内41市町村中9市町村について「災害救助法」の適用を決めた。その他の市町村についても、7日までの期間中に追加支援を求められた場合には追加していくという。
4日時点で、災害救助法が適用されている9市町村は宜野湾市、名護市、沖縄市、糸満市、うるま市、恩納村、中城村、南風原町、伊是名村。
玉城知事は、このほか台風により那覇空港が混乱しているとの報告を受けたと指摘。「引き続き、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)や空港ビルディングとも協力して、観光客への対応にも当たっていきたい」と述べた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)