国際色強化など2つの“パワーアップ” 第2回の野球長期トライアウト「JWL」

 
ジャパンウィンターリーグの第2回に向けて概要を発表する大野倫GM(左)と知花真斗副代表=7月31日、那覇市の沖縄県庁

 冬場の沖縄で約1カ月間に渡って行われる野球の長期トライアウト「ジャパンウィンターリーグ(JWL)」。初開催だった昨年に続き、今年もより“パワーアップ”した形で開催される。

 運営するジャパンリーグ(那覇市、鷲崎一誠代表)は7月31日、那覇市の沖縄県庁と東京のフジテレビ本社をオンラインで繋いで記者会見を開き、11~12月に沖縄県内の3球場で開く第2回の概要を発表。欧州やアジアの野球界との繋がりを強め、海外からの参加選手の増加を見込む。さらに昨年はトライアウトリーグのみだったが、今年はプロや社会人らがスキルアップを目的に参加するリーグ「アドバンス」も開催する。

新リーグ「アドバンス」はNPBや台湾CPBLなど対象

 今年のトライアウトリーグは11月25日~12月24日に沖縄市のコザしんきんスタジアムで行う。参加資格は15歳以上で、定員は120人。参加選手を6チームに分け、21試合ずつを実施する。8月中は2次募集を受け付けている。

 新たに発足したアドバンスリーグの日程は11月23日~12月17日。宜野湾市立野球場とANA BALL PARK浦添で行われる。定員は80人。選手を4チームに分けて18試合ずつを実施する。参加対象は日本野球機構(NPB)、台湾プロ野球(CPBL)、社会人の日本野球連盟(JABA)、日本独立リーグ野球機構(IPBL)の各球団に所属する選手となっている。

海外からチェコやフランスの選手も

参加を呼び掛ける大野GMと知花副代表

 トライアウトリーグのみだった昨年は知名度不足で募集定員の120人に届かなかったが、社会人や独立リーグなどから66人が参加。米国やウガンダなど海外からも来沖した。

 今年は従来から掲げる「沖縄を世界の野球の登竜門にする」との目標を念頭に「海外との連携をより深めていく」(鷲崎代表)として、以下の四つを進化のポイントに挙げた。

①台湾の国立体育大学とパートナーシップを締結。野球部の学生が参加

②スカウティングマッチングサイトと業務提携。チェコやオーストリア、フランス、ポーランドなど欧州からの参加人数増加の見込み

③昨年米国から参加した選手が国内の独立リーグのチームと契約し、北米からの参加選手増加の見込み

④昨年と同様にアフリカや中南米からの選手招待を予定。台湾、韓国、中国にもPR

 昨年は参加人数が限定的だった高校生についても増加を見込む。大野倫GMは「高校生はプロアマ規定のルールに抵触しないか神経質になるところがありましたが、今年はトライアウトとアドバンスの会場が別になりますし、規定はクリアしています。その辺をしっかり周知し、高校生もより多くの参加を募りたいと考えています」と説明した。

エンターテインメント性高め集客強化

初開催だった昨年の第1回の様子

 第1回の終了後に開いた成果報告会で課題の一つに挙げていた集客については、沖縄の少年野球とタイアップして開催期間中に子ども達がベンチに入ったり、アナウンス体験をしたりして交流を進め、大会自体の周知を広める。音楽イベントやお笑いライブも開き、エンターテインメント性も高めていくという。

 昨年は国内外の31球団からスカウトが来場し、66人中10人が社会人や独立リーグチームの契約を勝ち取ったジャパンウィンターリーグ。その成果を念頭に、鷲崎代表は「参加した選手が新たに進路を見出したり、社会人選手が自分のチームに戻ってレギュラーを獲得したりと、まさに『陽の目を見ない場所に光を』というJWLのコンセプトを体現できた1年目でした。2年目はさらにパワーアップしていきます」と力を込めた。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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