2920億円を概算要求 24年度の沖縄振興予算
- 2023/9/1
- 政治・社会
内閣府は31日、2024年度の沖縄振興予算について概算要求を財務省に行った。要求額は2920億円のほか、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のため必要な経費で金額を明示しないで行う「事項要求」となっている。
今回の要求額は、23年度予算の際に行った概算要求額2798億円から122億円増えたものの、県が求めていた3000億円台は、3年連続で下回った。使途について県や市町村の自由度が高い一括交付金は、今年度の当初予算から26億円増となる785億円を計上した。
沖縄の自立的発展に資する市町村や民間の事業に国が直接給付する沖縄振興特定事業推進費は、今年度の当初予算と同じ85億円とした。
公共事業関係費等には、今年度当初予算と同額の1262億円と事項要求を盛り込んだ。沖縄科学技術大学院大学(OIST)に関連する予算は、26億円増の222億円を計上した。
西普天間住宅地区(返還基地)跡地において、24年度中に事業完了予定の琉球大学医学部及び大学病院の移設を中心とする沖縄健康医療拠点を着実に整備する費用としては、同110億円増の253億円を計上した。
また、新たな事業としては観光業で深刻化している人手不足に対応するため、「沖縄観光人材不足緊急対策事業」に10億円を盛り込んだ。
岡田直樹沖縄担当相は、「『強い沖縄経済』の実現に向け、沖縄観光再生の後押し、離島型クリーンエネルギーの促進などを始め、農水産業・加工品分野、IT関連産業分野も含め、各般の施策を拡充している」とコメントした。
税制改正分野については「県民生活の安定に大きな役割を果たしているガソリンや電力の特例措置のほか、観光支援策である沖縄型特定免税店制度の計4件で3年間の延長を要望している」と強調した。
玉城デニー知事はコメントで、「一定の配慮をいただいた」とする一方で、「国直轄事業が大幅増となっているほか、一括交付金も求めてきた所要額とは大きくかけ離れ、資材等高騰分を充足することも難しいと考えており、大変残念」と述べた。
税制改正分野での3年間延長要望については、謝意を示した。
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(記事・写真・図 宮古毎日新聞)