沖縄県で行政ミス続く 個人情報紛失と不適切精算

 
個人情報が記載されたファイルを紛失したことなどで、記者会見で陳謝する沖縄県保健医療部の糸数公部長(中央右)ら=24日、沖縄県庁

 新型コロナ関連の事業で個人情報を含む書類を紛失したほか、不適切な費用精算の行政手続きミスもあったとして、沖縄県は24日、県庁で記者会見を開いた。保健医療部の糸数公部長ら4人が出席して、不備が発生した経緯や原因などを説明した。糸数部長は、「県民の皆さまに、県政に対する信頼を損ねたことをおわびする」と陳謝した。

 今回判明したのは、いずれも新型コロナ対策の事業で、①介護や障害福祉施設の職員などエッセンシャルワーカーの定期PCR検査事業で管理していた179人分の個人情報が記載されたファイル1冊を紛失②宿泊療養施設の原状回復事業で不適切な精算を行ったことにより、国庫補助金を少なくとも1330万円受け取れない可能性が浮上―した問題。

 ①の事案は、10月3日に発覚。紛失したファイルには179人の氏名や電話番号などが記載されていた。現在までに、情報漏えいをうかがわせる不審な電話の報告はない。

 県は紛失の原因として、ファイルの保管場所を固定化していなかったことや背表紙をつけておらず、一目でファイルの中身が分からない状態であったことを挙げた。

 再発防止策としては、各ファイルのリスト化や管理マニュアルの作成、保管場所の固定化や背表紙をつけるなどで、識別化を図るという。

行政ミスについて記者団に説明する沖縄県保健医療部の幹部ら(中央奥)=24日、沖縄県庁

 ②の事案について、県は2022年度内に完了するよう業務委託で事業を進めていたが、作業の遅れにより年度内の完了は困難と分かったため、引き続き23年度に入っても業務委託契約を結んで残りの作業を行ったと説明した。

 一方、当初の事業では精算処理を22年度中にすべきところを、事業実績の確認がおろそかになり、23年度に前年度分も含めて精算されたという。

 年度の切り分けはできないことから、国庫補助の対象にならない可能性が浮上し、補助金が受け取れない恐れが生じている。

 県保健医療部の幹部は「関係機関と調整して課題や対応策を早急に整理し、同時に再発防止の徹底に努める」と述べた。

(記事・写真 宮古毎日新聞) 


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