沖縄県、辺野古の工法変更「承認せず」 上告の方針

 
辺野古の工法変更を承認せず、上告するとの方針を発表した沖縄県の溜知事公室長=25日、沖縄県庁

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、工法変更を認めるよう福岡高等裁判所那覇支部の判決が出ていた沖縄県。期限として指定されていた25日、承認を行わず、最高裁へ上告する方針を発表した。同日、県庁で会見した溜政仁知事公室長が、玉城デニー知事のコメントを発表して明らかにした。県の方針を受け、国は近く代執行に踏み切るとみられる。

 辺野古移設では、移設先となっている大浦湾側の海底に軟弱地盤の存在が判明し、沖縄防衛局が工法の変更を求めている。移設に反対する沖縄県は、これまで工法変更を不承認としたほか、裁判でも争ってきた。

 しかし、「不承認」をめぐる訴訟は9月までに県の敗訴が最高裁で確定。さらに、県に代わって国が承認する「代執行」の訴訟でも20日、福岡高裁那覇支部が県の主張を退ける判決を下し、県は苦しい立場に追い込まれた。同判決の後、県は「極めて残念」とした上で「今後の対応を検討する」との知事コメントを出していた。

 溜知事公室長が25日に発表した知事コメントでは「今回の判決にはさまざまなな問題があり、知事として辺野古新基地建設に反対する多くの県民から負託を受けていることから、承認処分を行うことは困難と判断した」としている。

 福岡高裁那覇支部の判決について、溜知事公室長は報道陣に対して「一方的に国の公益のみを採用しているが、本当にそれが正しいのか疑問がある」などと述べた。

 その上で「流れとしては(国による)代執行になると思うが、地方自治や沖縄県民の民意という観点から問題があると思う。代執行の手続きは取らないでほしい。今後、(福岡高裁那覇支部の)判決の中でも言っている『対話』により解決する道を求めていきたい」と強調した。 

 


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