PFAS、8年前から流出 沖縄県庁の湧水槽から

 
県庁からのPFAS流出問題について再検査などの進捗状況を説明する宮城力総務部長=12日、沖縄県庁

 沖縄県庁内の湧水槽から有機フッ素化合物(PFAS)を使用した泡消火剤を含んだ水が誤流出した問題について、県は12日、県庁で記者会見を開き、再検査や処理などの進捗(しんちょく)状況を説明した。再検査では、2015年度に泡消火剤が流出した別の湧水槽からもPFASが検知されたという。県は、同年度からPFASを含んだ水が流出していたことは間違いないと認め、宮城力総務部長が陳謝した。

 県は9月26日に県庁建物外部の排水枡、同30日に県庁内の湧水槽内にたまった水の回収及び洗浄をそれぞれ行った。その上で今月5日に県庁内外の計4カ所で採水を行い、再検査を実施した。

 国が指定する1㍑当たりの暫定指定値(PFOSとPFOA合計50㌨㌘)に対し、再検査の結果①今年6月から9月までの間に県庁内で誤流出した湧水槽から1万7000㌨㌘②県庁敷地境界付近の排水枡から97㌨㌘③15年度より外部流出していたとみられる湧水槽から510㌨㌘ーと、3カ所から同指定値を超える高濃度のPFASが検知された。

 指定値を上回った要因について、県は①の湧水槽の具体的な要因は不明としつつ、同湧水槽の底にPFASが浸透している可能性を挙げ、引き続き分析を続ける方針を示した

 ③の湧水槽については、15年度時点で、泡消火剤をPFASを含まないものに取り替えたため、流出することはないと判断しており、それ以降は検査を実施していなかったという。

 今回検知された要因としては、同湧水槽にPFASが残存していたと想定。現在に至るまでの8年間で一部流出したことは間違いないとして、宮城部長は「申し訳ありません」と陳謝した。

 県は今後について、内部の水が外部で漏出しないようにポンプを停止するなどの措置をした上で、早急に回収及び洗浄を実施するなどの対応をしていくとした。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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