那覇大綱挽、完全復活 通常開催に27万人参加

 
「ハーイヤ」の掛け声とともに熱戦を展開した那覇大綱挽の参加者ら=8日、那覇市の国道58号久茂地交差点

 ギネスブックが認定する世界最大級の大綱(全長200㍍・重さ40㌧超)を東西で引き合う那覇大綱挽が8日、那覇市の国道58号久茂地交差点で開催された。引き手と観客を合わせて約27万5000人(主催者発表)が、「ハーイヤ」の掛け声とともに熱戦を展開し、制限時間30分直前のぎりぎりで東が17回目の勝利を決めた。人数制限を設けない通常開催は4年ぶり。

 琉球王朝伝来の同大綱挽は日本復帰前年の1971年に、平和を祈念する行事として復興した。世界の平和を祈り、県民それぞれの幸福を願う行事として、毎年開催されるようになっている。今年は第53回開催で、主催は同実行委員会。

 2020年と21年は新型コロナ感染症の影響で中止。昨年は人数制限を設けて開催したが、試合開始前の綱寄せの途中で、綱が切れるアクシデントに見舞われ、中止せざるを得なくなった。19年にも試合途中で綱が切れるハプニングが起きており、同保存会の呉屋守將会長によれば、「2回連続して発生した綱切れを防止するため、今回は綱の強度を増すように工夫した」という。

 晴天に恵まれた同日の大綱挽には、綱引きが始まる2時間前から三々五々と引き手や観客らが参集し、交通制限の掛かる午後2時半には、会場は人で埋め尽くされた。

 開会式典で、那覇市長の知念覚実行委員長は、「大綱は『カリー綱』とも呼ばれている。来場した皆さんの幸福と繁栄を心から祈る」とあいさつした。「旗頭のまち」宣言も行われ、知念委員長が高らかに宣言文を読み上げた。

 綱引き開始と同時に引き手らは、汗だくになりながら綱を引き合った。制限時間30分の勝負に挑み、東が試合開始から29分で、5㍍以上を一気に綱を引き寄せて17勝目を決めた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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