沖縄県知事選候補への銃弾投げつけ 公選法違反で県警が告訴を受理
- 2022/8/29
- 社会
8月26日に沖縄県知事選挙に立候補している佐喜真淳氏らが那覇市中心部で街頭演説をしていたところ、女性が銃弾を投げつけた事件で、佐喜真氏の応援演説をしていた県議会議員ら3人が県警にこの女性を告訴し、29日に告訴が受理された。
告訴したのは、県議会議員の仲村家治氏と新垣淑豊氏、そして佐喜真陣営のスタッフの3人。
告訴状によると、26日午後6時30分頃に那覇市の県庁前広場で佐喜真氏が街頭演説をしていたところ、女性が銃弾数発を投げつけ、仲村氏の左胸、新垣氏とスタッフの左手に命中させたという。さらに、選挙カーにも銃弾が命中した際に大きな打撃音が連続して起き、女性を取り押さえるために複数の関係者が動いたために会場が騒ぎとなるなど、佐喜真候補の演説が妨害されており、女性の行為は公職選挙法第225条に定める選挙の自由妨害罪に当たるとする。
女性は沖縄本島北部のやんばるの森で蝶類の研究をしており、米軍北部訓練場の返還区域で見つかった古い銃弾などの廃棄物の撤去を求める活動をしている。女性は昨年、北部訓練場のゲート前に空き瓶を散乱させるなどして警備業務を妨害したとして威力業務妨害で在宅起訴されたが、8月26日の県庁前広場での事件後は、県警は女性から任意で事情を聴くにとどまっていた。
本人のものと見られるツイッターには、
「自民党のみなさん、逮捕されず未使用の空包も押収されることなく0時頃解放されましたよ!人に向けて火薬の入った銃弾を投げつけたのにこれでいいんですか?暴力に屈してはいけません、自民党以外もそれ以外の人も自民党のためにもっと声をあげてください。」
「逮捕されなくてびっくりしたでしょ?ワタシもびっくりしたの。」
「今回は火薬入り未使用空包ですが放射性コバルト60含有電子部品、DDT類、BHC類、PCB、いろいろ揃えることができますよ。」
などの書き込みがある。
告訴状では、これらのツイートを上げて、<自らの犯行の悪質性を述べつつ、それを警察が容認しているかのごとく公言して、愉快犯的に警察を愚弄>、<再犯を匂わせ、司法制度に対しても挑戦的な態度を示している>とも指摘している。
7月に奈良市内で安倍晋三元首相が参議院選挙の応援演説中に撃たれて亡くなった事件を受けて、警察庁が政治家の警護を強化する報告書を取りまとめたばかりであり、今後の県警の捜査が注目される。