沖縄の景気判断、「回復」継続 住宅投資は弱め 日銀那覇7月

 
日銀那覇支店

 日銀那覇支店はこのほど、2023年7月の県内金融経済概況(主要指標は5月)を発表し、県内景気について「回復している」との判断を4カ月連続で維持した。同支店では、「感染症の影響が和らぐ下で観光や消費を始めとする需要が回復する動きが続いている」と分析している。

 個別項目では、個人消費、観光、公共投資、設備投資で判断を据え置いた。住宅投資は「下げ止まりつつある」から、「弱めの動きとなっている」に引き下げた。建築資材の価格高騰などで販売価格が上がり、住宅取得意欲に低下がみられるという。

 個人消費では、5月の百貨店・スーパー販売額(全店舗)が前年比11.5%増加した。同支店では「新型コロナが5類に引き下げられたことや、梅雨時期に雨が少なかった影響で消費者の外出意欲が高まり、総菜関連の販売が堅調で、衣料品雑貨も夏物アイテムが伸びているようだ」と指摘した。

7月の県内金融経済概況を発表する飯島浩太支店長=7日、日銀那覇支店

 観光では、主要ホテルの稼働率が5月は58.5%で、前月から5.7ポイント低下した。同支店では「ゴールデンウイークの日並びがそれほど良くなかったほか、全国旅行支援の適用がなかったこと、月末に台風の影響があったことが影響した」と分析している。

 6月の稼働率(速報値)は66.1%まで回復している。飯島浩太支店長は会見で、「(新型コロナの)感染者数増加などの影響を懸念する向きもあるが、全体としては、夏休みのハイシーズンに向けて予約がしっかり入っているとの声が聞かれる」と語った。

「住宅投資」は判断引き下げ

 今回、判断を引き下げた住宅投資では、新設住宅着工戸数が前年に比べ8.0%減少した。同戸数は3カ月連続して前年比減となっている。

 飯島支店長は、「貸家については、19年に比べ相当、下がった状態で(着工戸数が)横ばい。持ち家や戸建では、資材価格の上昇で販売価格が上がり、購買意欲が下がっている」などと述べた。

 マンションでは、県外・海外の顧客を対象にしている事業者は好調を維持しているが、主に県民が住宅用で住む物件では価格上昇により購買意欲の低下が見られるという。

 今後の県内景況について、同支店では「回復が続くとみられる」との判断を維持した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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