4島結ぶ海底ケーブル完成 高速、大容量通信が実現 

 
3社共同による光海底ケーブル整備事業が完了したことを発表する、沖縄セルラー電話の菅社長(右から2人目)ら=13日、沖縄県庁

 沖縄セルラー電話(菅隆志代表取締役社長)などは17日までに、大容量光海底ケーブル「YUI」の整備事業が完了し、7月から運用開始したと発表した。同社とNTT西日本、ソフトバンクの3社共同による事業で、今回の整備によって、沖縄本島、宮古島、石垣島、久米島の4島間が光海底ケーブルでつながり、最大伝送容量が毎秒60テラビット以上の高速、大容量通信が可能となった。

 現在、通信業界では第5世代移動通信システム(5G)の通信エリア整備が全国的に推進されている中で、沖縄は離島が多いことなどから通信工事に困難が生じていた。そこで、「離島の人が取り残されないように」との思いで一致した3社が協定を締結し、昨年1月から共同で整備事業を進めていた。

光海底ケーブル「YUI」のケーブルルートのイメージ。4島をループ構成でつなぎ、より信頼性の高いネットワーク構築を実現した(沖縄セルラー電話、西日本電信電話、ソフトバンク提供)

 

 沖縄県内にはもともと、沖縄本島―久米島間と宮古島―石垣島間の2区間に、県とNTT西日本が保有するケーブルが設置されていた。今回の整備で、沖縄本島―石垣間約460km、久米島―宮古島間約260kmの2区間に海底ケーブルを新設し、既存ケーブルと接続させた。

 また、ケーブルのルートが周回する「ループ」構成にすることによって、より信頼性の高いネットワーク構築を実現。例えば、回線が一部途切れてしまった場合でも、ケーブルが周回しているループで通信の流れを逆にすることで、引き続き高速、大容量通信が可能になるという。

 大規模災害などが発生した時などでも、安定的な通信サービスを確保するための重要インフラとなることが期待される。このほか、人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)などを活用した産業の多様化や、離島の地域社会の活性化のなどにも貢献するという。

 菅代表は「通信の機能は社会のさまざまに溶け込み、ないといけないもの。海底ケーブルをしっかり活用し、本島、離島の皆様へ新しいライフスタイルサポートし、県経済の発展や災害に強い強靱なネットワークの構築を推進していく」と述べた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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