県内求人1.12倍  沖縄労働局2月「改善の動き継続」

 
2023年2月の雇用情勢について説明する沖縄労働局の西川昌登局長=31日、県庁

 沖縄労働局の西川昌登局長は31日、県庁で会見し、2023年2月の県内有効求人倍率(就業地別・季節調整値)が前月比0.01ポイント低下の1.12倍だったと発表した。雇用情勢の改善を示す基準の「1」を7カ月連続で超えたほか、求人数(原数値)が堅調に推移していることなどを踏まえ、県内の雇用情勢について「改善の動きが継続している」との認識を示した。

 同局は、2月の雇用情勢判断を「求人が求職を上回り改善傾向は続くが、物価上昇などが雇用に与える影響に注意する必要がある」とした。

 2月は、プロ野球のキャンプがコロナ前の状況に戻ったことや、修学旅行などの団体旅行が回復してきたことで、宿泊業や飲食サービス業を中心に高い人材需要が続いた。また、観光関連産業以外でも、建設業とタクシーや観光バスの運転手などを含む運輸業・郵便業で求人増が見られる特徴があったという。

 原数値で月間有効求人数を見ると、前年同月比18.4%(5821人)増の3万7372人となり、2月の最高値を示したほか、新規求人数も1万3734人となり、同11.0%(1365人)増加した。

 正社員については、新規求人数が同14.9%(563人)増の4350人、有効求人数は同20.9%(2212人)増の1万2787人で、いずれもコロナ禍前の2019年と比べて増加し、2月として過去最高となった。

 西川局長は「人手不足が強まる中で、正社員など処遇を改善した求人の増加が顕著になっている」と分析した。

 主要産業別の新規求人数では、運輸業・郵便業で前年同月比50.1%増加したほか、公共工事が堅調に推移している建設業で同34.0%増えた。また、飲食店では観光客向けの新規開業に伴う求人提出なども見られたという。

 西川局長は物価上昇による影響についても触れ、求人側から物価上昇を懸念する声は聞かれるとしながらも「観光客が戻ってきている中、人手不足で回せない状況の方が喫緊の課題だ」との見解を示した。

 その上で、事業者に対して、働き方改革の支援に加え、生産性向上のための業務改善やキャリアアップのための助成金などを支給しているとして「ハローワークや労働局に相談してほしい」と訴えた。

 さらに、求職者に対しては、ハローワークでは求人票に記載されていない情報も提供していると強調し「ぜひ窓口に来て、詳しい情報を収集して就職に結び付けていただければ」と呼び掛けた。

県内「1月から人手不足感が顕著」

 2022年度の雇用情勢の動きについては「夏以降に観光客が回復したことに伴い、県経済が好循環し始めた裏で、特に1月から人手不足感が顕著になった」と振り返った。その上で「コロナ前を超えた状況になっている」との見解を示した。

 同日、県が発表した2月の完全失業率(原数値)は3.6%となり、前年同月比で0.5ポイント改善した。完全失業者数は2万8000人で、前年同月より4000人減少した。

(記事・写真 宮古毎日新聞 西田雄一)


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