沖縄県内の首長や議長が「うた自慢まち自慢」 優勝は圧巻の八重瀬町神谷議長 司会に西川きよしさん

 

 沖縄県内各市町村の首長や議長などが、歌とパフォーマンスで地元の魅力や物産をPRするイベント「ハイサイ!うた自慢まち自慢2023 島ぜんぶでおーきな祭スペシャル supported by 株式会社セブン‐イレブン・沖縄」が4月16日、那覇市の琉球新報ホールで開催された。全41市町村からの参加者による予選を突破し決勝に進出した6人は、歌だけではなく地元の名産品をアピールしながら盛り上げ、各市町村から駆け付けた応援団も客席からペンライトやオリジナルうちわなどを持ちながら声援を送り、会場の空気を一つにした。

 優勝には二葉百合子の『関東一本〆』を着物姿でプロ顔負けの歌唱力で堂々と歌い上げた八重瀬町の神谷たか子議長が輝いた。神谷議長は「みなさんのおかげです!」と喜んだ。

 最後は会場全体でカチャーシーを踊り、“ハッピー感満載”で幕を閉じた。

司会には西川きよしさん

 神谷議長の他、決勝には出演順に与那原町の照屋勉町長、豊見城市の徳元次人市長、国頭村の宮城尚志教育長、宜野座村の當眞淳村長、宜野湾市の呉屋等議長がステージに立った。神谷議長はトリを飾った。

 司会は西川きよしさんが、ナビゲーターはガレッジセールの川田広樹さん・ゴリさん、宮川たま子さんが務めた。

 審査員はシンガーソングライターのEPOさん、FECオフィスの山城智二社長、大平サブローさん、株式会社よしもとエリアアクションの泉正隆社長の4人。歌だけではなく、まちの魅力発信という観点も審査の対象だ。

 NHKのど自慢さながら、審査の鐘を担当するのは吉本興業ホールディングスの大﨑洋会長。全てに鐘3つを鳴らしていた。

 実力派ミュージシャンを揃えた「なかのまちヤカラーズ バンド部」が生演奏で伴奏し、豪華なステージとなった。

与那原町照屋町長 岡晴夫『憧れのハワイ航路』

 与那原町の照屋町長は、1949年の岡晴夫のヒット曲『憧れのハワイ航路』をチョイス。ウクレレ片手に登場したものの、弾かずにただ持っているだけという姿が笑いを誘った。「ハワイと言えばウクレレでしょう」(照屋町長)

 町のイメージキャラクター「つなひきかちゃん」も登場して楽しい空気感を演出した。照屋町長は歌唱後に、特産品のひじきや赤瓦を紹介。「どうぞみなさん、カワラぬ愛を」と言葉遊びも交えながら町の魅力をアピールした。

豊見城市徳元市長 少年隊『仮面舞踏会』

 続いて登場したのは豊見城市の徳元市長。少年隊の『仮面舞踏会』をダンス付きで披露。歌詞の合間合間で「ハッ!」(正確には、「ハ」と「ヘ」の中間のような音)と連呼しながらポーズを決め、エンターテイナー性が光った。ガレッジセールのゴリさんは楽し気なステージに「飲み友だちだったら楽しいけど、本当に豊見城を任せて良いのか」とツッコんだ。

 市のイメージキャラクター「アゴマゴちゃん」と一緒に市のアピールをし、特産品のウージ染め(サトウキビ染め)などを紹介。徳元市長がこの日に来ていたかりゆしウエアもウージ染めだった。

国頭村宮城教育長 中島みゆき『ファイト』

 国頭村の宮城教育長は中島みゆきの『ファイト』を熱唱。バックバンドは無しで、アコースティックギター1本の弾き語りスタイルだ。長渕剛を彷彿とさせる歌いっぷりで、会場からの手拍子を呼び込んだ。

 特産品のアピールタイムでは、シナモンのような風味があるカラギ茶を紹介。西川きよしさんは「(妻の)ヘレンに持って帰ります」と笑いを誘った。世界遺産にも登録されたやんばるの森を擁する国頭村らしく、リュウキュウマツの積み木なども紹介した。

宜野座村當眞村長 BEGIN『国道508号線』

 4番手は、特産品であるイチゴの被り物をして登場した宜野座村の當眞村長。BEGINの『国道508号線』を、同じくイチゴの被り物をしたバックダンサーと共に踊りながら歌って盛り上げた。阪神タイガースのキャンプ地でもあることから球団のはっぴも身にまとい、存分にトップセールスした。

 當眞村長自ら審査員に配り、好評を博した村産のイチゴ。西川きよしさんがまたもや「これはヘレンに」と、妻へのお土産にも満足だ。

宜野湾市呉屋議長 ディアマンテス『片手に三線を』

 5番手は真っ赤なシャツに身を包んだ宜野湾市の呉屋議長。国頭村の宮城教育長に続いてギターを持ち込み、バックバンドと共に演奏しながらディアマンテスの『片手に三線を』をクールに歌い上げ「最高です」と感想を述べた。

 歌った後は宜野湾市の特産品である田芋をPR。芋から別の芋がどんどん伸びて育っていく様子から、子孫繁栄を連想させる縁起の良い食べ物として「沖縄のお正月料理には欠かせません」と紹介した。

八重瀬町神谷議長 二葉百合子『関東一本〆』

 そして最後に登場したのが、優勝に輝いた神谷議長だ。まず、登場の段階から華やかさで抜きんでていた。10人の仲間たちと町のキャラクター「やえせのシーちゃん」が脇を固め、中には特産品のピーマンをあしらった笠をかぶっている人の姿もあり、客席を圧倒した。着物姿で舞台中央で歩み寄る佇まいは演歌歌手そのもの。二葉百合子の『関東一本〆』の「やると決めたらどこまでも」という歌い出しの一節から歌唱力を見せつけ、その見栄えに違わぬ確かな実力を証明してみせた。

 八重瀬町のピーマン「ぐしちゃんピーマン」は大きく肉厚で甘味のあるのが特徴。神谷議長は「生でも食べられます」と笑顔で勧め、客席からは八重瀬町の応援団から「甘いですよ~」の声が飛び、神谷議長も客席も一丸となってのアピールを続けた。

審査員のEPOさんも有名曲で盛り上げ

 各出場者の他にも、審査員として参加したEPOさんがヒット曲『う、ふ、ふ、ふ、』を披露。1983年のリリースながら今に至るまで多くのCMにタイアップ曲として使われている名曲だ。また、会場からの飛び入りカラオケコーナーもあり、終始アットホームな雰囲気に包まれたイベントだった。


長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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