キングス”同窓会” !?クーリー、今村、並里、古川… Bリーグオールスター、来年は沖縄で

 

ダンクコンテストでコー・フリッピンが優勝

ダンクコンテストで一人アリウープでの豪快なバックダンクを披露するコー・フリッピン=1月13日、茨城県のアダストリアみとアリーナ(長嶺真輝撮影)

 オールスターでは、その他にも様々なイベントが開かれた。3人が出場した「ダンクコンテスト」では、キングスのコー・フリッピンがオンラインで実施された2021年に引き続き優勝(22年は中止)。1本目は自らボールを高く放り、バウンドしたボールを空中で掴んでバックダンクを決め、50点中48点で予選を突破。2人で争った決勝の2本目は今村がゴールボードの横に当てたボールを空中で掴み、そのままリングに叩き込み、SNS投票で78%の支持を得て頂点に立った。

 インタビューを受けたフリッピンは「優勝して沖縄を代表できることがうれしい。琉球の皆さん、応援ありがとうございました」と笑顔で語った。

 ドリブル、パス、シュートで決められた関門をいかに速くクリアするかを競う「スキルズチャレンジ」には、今回の主要5イベントを通してただ一人、U18カテゴリ(主に高校生)からの選出となったキングスU18の須藤春輝が参加。憧れの対象である富樫や河村など、日本を代表する選手たちと肩を並べて出場し、7人中6位の成績だった。

 13日には今シーズンからBリーグが創設した「ユース育成特別枠」でキングスに選手登録することが発表された須藤は「B1で活躍するのが自分の将来の夢なので、ステップアップにつなげていけるように、色々チャレンジしてきたいと思います」と抱負を述べた。

U18オールスターゲームに出場したキングスU18の(左から)佐取龍之介と須藤春輝

 今大会ではBリーグ各クラブのトップチームが主体のイベントのほか、U18のチームから有力な選手が集う「U18オールスターゲーム」も行われ、次代を担う選手たちが真剣なプレーを見せた。キングスU18からは須藤と佐取龍之介がチーム「WEST」で出場した。

 右足にけがを抱えてのプレーとなったが、リバウンドや速攻などで存在感を見せた佐取は「自分の得意のドライブやスリーポイントがあまり出せなかったのはちょっと悔しいですが、トランジションで走れたので良かったです。自分は状況判断が課題なので、もっとチームに貢献できるように頑張りたいです」と今後への展望を語った。

集客をいかに図るか 過密日程の中で課題も

会場となったアダストリアみとアリーナの入口

 2日間を通して様々なイベントや演出、選手たちの派手なプレーが会場を沸かせたオールスターゲームだったが、課題も残る催しだった。

 金曜日だった13日は午後4時25分からイベントが始まり、この日の目玉であるアジアライジングオールスターゲームは午後7時に開始された。平日開催だったこともあり、観客数はアダストリアみとアリーナの最大収容人数である5,000人を大きく下回る2,854人。イベント中は特設ステージも設置されたため、普段よりも収容可能人数は少なかったと見られるが、客席には空席も目立った。

空席が目立つ初日の客席

 14日は目視で客席がより埋まっていたものの、メーンゲームの観客数は3,146人。公式戦ではないにしても、国内のトップ選手が集うイベントとしては少し寂しい数字となった。

 また、日程もプレーヤーにとっては厳しい条件だった。開催2日前の11日の水曜日には各地で公式戦があり、メーンゲームに出場する選手たちは13日に水戸市内のホテルで開催前記者会見に出席。13、14の両日にイベントをこなし、17日の水曜日には次の公式戦が行われる。プロスポーツにおけるエンターテインメントの観点からオールスターゲームは大事な催しではあるが、出場選手は所属チームの主力級ばかりであり、過密日程によるケガのリスクはリーグの人気を維持するためにもできるだけ避けるべきである。

 来年は8,000人超の収容能力を誇る沖縄アリーナで開催されるオールスターゲーム。イベントの魅力周知やチケット販売に注力して客席を埋め、日程のあり方も含めて選手が出場しやすいイベントとできるか。Bリーグ、開催地が連携し、より良い催しとなる事を願いたい。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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