「夜の街・松山」を足下から支える
- 2020/9/21
- 新型コロナ・医療
――モチベーションが上がらないですね。
「ウイルスから身を守らなくてはならず、不安を抱えながらの接待でストレスを抱えています。フェースガードをして接客していたところ、客から『そんなの取れよ』と引きはがされた子もいます。系列店間で移動する際も着けるように言われたそうですが、さすがに抵抗があると言ってはずして歩いているようです」
「あんたじゃないよね?」風評被害に晒される女性たち
――残念ながらキャバクラから感染者が出てしまいました。
「政府の『GoToトラベルキャンペーン』で本土から大挙して来たグループが感染源と言われています。その店で働く女の子もよく知っていますが、『うつったの?』と聞く訳にはいかないです。気の毒なのは、その子たちが周りから『あんたうつったの? あんたじゃないよね』と電話やメールで質問攻めにされ、それがまたSNSで拡散される。それでストレスを抱えることになって、風評被害もいいところです」
――好き好んでうつった訳ではなく、誰だってうつる可能性がある訳だから、わが身に置き換えて考えてほしいですね。ところで、県の緊急事態宣言(8月1日~9月4日)発令で変わったことは?
「女の子が夜の仕事に見切りを付けて昼間の仕事に転職したことです。コールセンターが多いようです」
――トークに慣れているから向いているかもしれませんね。
「そうなんでしょうね。ただ昼間と夜とでは時給が倍以上違いますから、昼間の収入でやっていけるかどうかが気掛かりではあります。というのも、独身の子はいいんですが、松山で働く子はシングルマザーが多いので、一人で家計を支えなくてはいけないんです」
――そもそも昼間の仕事で子育てできないから、夜の仕事に移ったわけですよね。
「それはあるでしょうね。ところで、コロナの影響を受けたのは女の子たちだけではないんです。今(店の前を)通ったあの男性、キャッチ(呼び込み)をやっていますが、彼らの中にも辞めて建設業に移った人もいます」