「夜の街・松山」を足下から支える
- 2020/9/21
- 新型コロナ・医療
――夜の街からいきなり炎天下の作業現場ですね。
「確かに大変かもしれません。他にもボーイ、美容室、酒店や食材店などの納入業者など、関連する人たちは大勢います。もちろん風俗で生計を立てる女性も含まれています。彼女たちは本当に日々の生活に困っています。
首長に強く言いたいのは、緊急事態宣言を出すのであれば、自粛を求めるだけでなくそれに見合う補償をしてほしいです。玉城デニー知事は要請に応じた場合、20万円の協力金を支援しましたが、それだけでは十分ではなく、しかも私のような業種は対象ではないです。要請と補償がセットになれば応じる店も増えるはずです」
松山にもっと支援を
――開けなければ食べていけないという切実な問題ですね。
「松山は観光客で成り立っている街で、国際通りと直結しています。人が集まる場所なんです。沖縄が観光立県を目指すのであれば、松山をもっと支援してほしいです。それに松山にはいろんな属性の人がいます。私の店をひいきにしてくれているお客さんにはニューハーフの方もいます。沖縄中にこんなにいるのかと思うくらいいるんです。
彼……いや彼女たちは美意識が高く、ファッションセンスが良くて、会話も人を飽きさせないんです。自粛期間中もレッスン料を払ってダンスのレッスンを続け、自分磨きを欠かさない人たちです。お客さんを楽しませようというショーマンシップが強いんです」
――多様性を受け入れる街なんですね。
「この街で商売を始めて以来、人けのない静かな松山を見るのは本当に複雑な心境です。さっきも言いましたが、松山は人が集まる場所なんです。一時的に衰退はあるかもしれませんが、松山は死なない街です。今は息をひそめていますが、いつかコロナが終息したら必ず甦ります」