琉球コラソン、旧盆「ナカビ」に今季初勝利 「ご先祖様が見守ってくれた」

 

チーム守備が機能 田場ら体張る

高い集中力でディフェンスする田場裕也(右から2人目)

 コラソンが目指す速い攻撃を生んだ最大の要因は、チームディフェンスが機能し、失点を今季最少に抑えたことだ。

 相手のポストから得点される場面は多かったが、「想定内だった」と東江監督。その上で「ボールの供給源となるセンターの選手に対して、簡単に出させないことを徹底しました」とボールの流動性を絶った。さらに積極的に前に出てパスカットを狙ったり、田場らが体格の大きなバックプレーヤーに対して体を当てたりしながら、強いプレッシャーを維持した。

シュートを決めた仲間を讃える東江正作監督(右)やベンチメンバー

 この日のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選ばれた46歳の田場は「僕は直近4回のオリンピックで毎回決勝にいってるフランスのリーグでプレーしていたので、まだ当たり負けはしませんよ」と不敵な笑みを浮かべた。

 今季は「不甲斐ない試合が多かった」と振り返る守護神のGK衣笠友貴も、この日は勝負所で好セーブを見せ、「守備が機能してると、自分もここでシュートが来るだろうなと狙いが絞れる。そのおかげでキーピングすべき所でできたと思います」とディフェンス全体に好感触を示した。

流れの継続に課題

今季初勝利を喜ぶ琉球コラソンのメンバー

 嬉しい今季初勝利とは言え、まだ1勝。昨季の倍の8勝という目標への道のりはまだ遠い。

 経験の浅い若い選手が多い中、後半にリードを広げた場面で前がかりになり過ぎ、一時追い付かれたことを念頭に、東江主将は「守備をしっかりしてから行けばいいところを、バタついてしまった。自分達の良い時間帯を継続できないのはまだ弱さ。それでも経験のある湧永に3点差で勝ち切れたことは大きいと思います」と課題と収穫を語った。

 これまでは全選手を使うというコンセプトで戦ってきたという東江監督は「そろそろチームの礎をしっかり築いていかないといけないと選手にも話をしました。レベルの高い選手をどんどん出していきたい」とチーム内競争による個々のレベル向上にも期待した。

次ページ:
1

2


長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ