【参院選】「平和で豊かでゆとりある沖縄を」 再選の伊波氏一問一答

 

 ―今回の選挙戦を通して、経済の問題、日本の問題についても多く訴えていました。そうしたトピックについての有権者への浸透はいかがでしょうか。

「とても浸透してたと思います。というのも、経営者の方々から『今度は経済に取り組むんだね』という声もありました。私自身、宜野湾の市長として経済にも取り組んだ過去もあります。西海岸の誘致や様々なこともやりました。ただ、6年前は大きな課題が新基地建設反対でしたし、それに焦点をあてる時期だった。今回は離島も含めて、沖縄のあるべき形を踏まえてしっかりと地元の声を聞きながら、それを国会に届ける役割。そして、沖縄県全体を発展させていく役割です。6年という期間をいただきましたので、それらの役割をしっかりとやっていきたいと思ってます」

 ―この18日間という選挙期間を振り返ると、痛ましい事件も起きましたし、「対政府」ということも言及しておりましたが、総括するといかがでしょうか。

「長丁場の18日間ですが、通常国会の閉会からすぐで、委員会や本会議にかなり時間を割かれていたのもあって、選挙本番は22日からという感じでした。その中でも慰霊の日もありましたし、安倍元総理が凶弾に倒れるという事件もありました。本当に色んな変化がある中で、私たちも一時遊説を止めましたが、それでもしっかりやっていこうということで昨日(9日)1日は玉城デニー知事とともに那覇をまわっていました。足りないこともいっぱいあったと思うんですが、それを補ってくれたのは各地域で県民の皆さんに頑張ってもらえたことだと思っています」

「これからの50年のスタートを切ることが出来た」

 ―秋には県知事選がありますが、今回の勝利の位置付けは。

「デニー知事の人気については昨日1日で実感しました。だから、その強さを損なわないためにも私は勝たなければいけないという思いがあって、しっかりやってきました。今回勝てたこと、この勝ち方は強い圧力のもとでしっかり県民がしっかりと自分たちの思いを、民意を実現するんだということが表れたんだと思います。だから、私たちはこの勝利は大きいと思っている。これからの50年のスタートを切ることが出来たと」

 ―全国的には与党優勢という中で、沖縄での当選を勝ち取った抱負を聞かせてください。

「憲法改正の問題や防衛費の増額など、今の政府の政策では軍事化への転換が始まろうとしてますが、私はそれにずっと反対してきました。沖縄の民意を受け止めて、それをしっかり国会の場で言って野党全体への理解を図りたいと思っています。つまり、軍事を優先するという流れは日本という国にとっては許されないと。経済が落ち込んでいる中で、防衛費を倍増して第三の軍事大国になるということに利益があるのかと。そうではなくて、それだけお金があるのだったら、本当に日本が発展することに使うべきだと思っています」

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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