東江正作新監督就任、「親子鷹」で再建へ 琉球コラソンが新体制発表

 

東江主将 日本代表の弟・雄斗を意識

父・正作氏(左)と並んで会見に臨む東江太輝主将

 一方、父とチームを牽引することになった東江太輝主将。開口一番、「皆さん分かると思うんですけど、親子でやることになりました」と少し照れくさそうに話し、会見場の空気を和ませた。幼少期から当たり前のようにハンドの話をしてきたため「家で話してる内容が練習会場で行われてる感じ」と違和感なく練習に臨めているようだ。

 昨季は1、2点差の僅差で負ける試合も多かったため、「そこを全て勝ち切りたい。あと1ヶ月、プレーオフに進出できる力をしっかり準備したい」と意気込む。

 弟の雄斗は昨夏の東京五輪で日本代表の攻撃の司令塔を担った。昨季JHL3位で多くのスター選手を抱えるジークスター東京に所属している。太輝は「せっかく親子でやってるんで、弟のいるジークスターと戦えるレベルまでいきたいなと思っています」とライバル心をのぞかせた。

レジェンド田場が13年ぶり復活

チームに復帰し、満面の笑顔を見せる田場裕也

 新体制では、新監督就任以外にもサプライズがあった。強豪国のフランスリーグでプレーした経験もある元日本代表選手で、コラソン創設に大きく貢献した田場裕也(46)が選手兼コーチとして13年ぶりにチームに復帰した。

 一線を離れた後はアルコール依存症を患うなど苦しい時期もあった。それでも入院して厳しい治療を乗り越え、また古巣に戻ってきた。

 「またハンドボールができるっていうのは、本当に夢のようなんです」と笑顔を見せる。46歳という年齢でスピードや持久力をピーク時に戻すことは難しいが、「僕には欧州でやっていた経験、知識、技術がある。それが通用するのは分かっている」と選手としてチームに貢献する気満々だ。

 コーチとしても「日本リーグじゃなくて、彼らを世界で通用するプレーヤーに育てたい」と大きなスケール感を持って指導に臨む。「僕もプロなので、全ては結果で残します」と言い切った。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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