沖縄で木造住宅は無理? ”神話”も今や昔 2年前に戸建てでRC逆転
- 2022/4/18
- 経済
ウッドショックが頭痛のタネ
着工戸数は増加傾向が続くが、頭痛のタネもある。木材価格の高騰が続く「ウッドショック」だ。コロナ禍で世界的にDIY需要が増えたことや、米国や中国の低金利政策で新築ラッシュが起きたことなどに起因し、今も高止まりが続く。
例えば、昨年3月に1立方メートル当たりの価格が66,700円だったスギ乾燥材正角(厚さ10.5cm、幅10.5cm、長さ3.0m)は同8月に130,600円と約2倍に跳ね上がり、今も13万円代で推移している。さらにウクライナ危機が高騰に拍車を掛けると見られており、予断を許さない。
ある県内メーカーは九州から木材を仕入れているが、昨年の春から秋にかけて仕入れ価格が1.4倍に上がったという。大手は自社が持つ拠点で資材をストックしている企業も多いが、地元業者は建設の注文を受け、その都度材料を発注するため、より価格高騰の影響を受けているという。資材高騰は住宅の販売価格を押し上げ、関係者からは「足元の購買の動きは鈍い」との声も聞かれる。
さらに半導体や鋼材、原油などさまざまな資材、原料が高騰しているため、住宅価格の上昇圧力は強いのが現状だ。在庫不足も生じており、照明やトイレなどで入荷に数ヶ月を要することもあるという。
ただ、関係者は共通して県内の木造住宅の需要は今後も増え続けると見る。木造住宅の斡旋や木材の流通などを担う企業の代表は、今後をこう見通す。
「資材価格が上がっているのはRCも同じで、木造が割安なことに変わりはない。もちろんデザインに対するこだわりや富裕層に人気な側面もあり、必ずRCの需要はある。それでも、沖縄も本土のように新築戸建ての7〜8割が木造になっていくのはでないか」