【前半】県海外職員が語る沖縄ビジネスの都市別進出優位性と課題

 

 また、スタートアップやイノベーションの中心都市・深センを例に挙げ「新しいアイデアや自由なビジネスの形を考えられる雰囲気が重要です」と、人々の意識の違いに触れた。

韓国ではゆっくりとしたライフスタイルに注目

 政治的な関係冷え込みが定期的に話題となる日韓両国。ただ、ソウル事務所の新里紹太所長は「日韓関係の悪化と訪日観光客の増減について、これまで重大と言えるほどの相関関係はなかった」と話す。それは「韓国の人々にとって日本への旅行が日常のものとなりつつある」からだという。

 韓国は、日本や中国と比較しても国民の出国率がかなり高い。新里所長が引用した資料によると、2019年は日本16%、中国11%だったことに対し、韓国は55.4%と東アジアでは断トツだ。

 韓国人の旅行先としては近年、ベトナムが人気を集めており、2017年からの2年間で倍近くに急増したことを挙げ「ダナンなどのビーチリゾートがあり、沖縄にとっては競合地となる。ベトナムやフィリピンのリゾート地と比べ、沖縄は高いという印象があるようなので、沖縄独自の良さを出しつつ、相手が何を望んでいるのかを把握して売り出すことが必要です」と述べた。

 また、韓国では都会の生活から離れて「田舎でゆっくり過ごす」というライフスタイルが注目を集めているといい「沖縄ののんびりとした雰囲気や素朴さ、若い世代に受けるオシャレさを打ち出していくと、他の都道府県に真似できないコンテンツができるかもしれない」と新たな可能性を話した。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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