緊急事態宣言再延長 蚊帳の外での決定劇 沖縄県民どう乗り越える?
- 2021/7/13
- 新型コロナ・医療
5月23日にスタートした今回の緊急事態宣言。当初は6月20日の解除を目指して、小中高校の一斉休校にまで踏み切りましたが、結局宣言は延長されて7月11日までとなっていました。7週間という長い期間を経て、ようやく解除が見えかけていた矢先の再延長。さらには追加する期間として示されたのが、なんと6週間。これには県民の誰もが大きく落胆したに違いありません。
なぜ、沖縄はこのような状況に追い込まれてしまったのでしょうか。果たして、国や沖縄県のコロナ対策に、もはや沖縄県民はついていけるのでしょうか。
今回の緊急事態宣言の経緯
国が発令する緊急事態宣言は、昨年4月から5月にかけて全国一斉に発令されて以来、沖縄県には2度目の発令となり、5月23日からスタートしていました。今年5月の連休以降、沖縄県内の感染拡大は過去にも例を見ないほどの危険水域に達し、国への宣言発令の要請を躊躇してきた玉城デニー沖縄県知事も、結局は国に求めざるを得ない状況となってしまった背景がありました。
当初、宣言は5月23日から6月20日までを期間として発令され、休業要請や小中高校の2週間の一斉休校など強力な対策が実行されてきました。しかし、それでも「いまだ感染まん延期の最中にある」として、宣言をさらに延長するよう国に要請することとなったのです。沖縄県は7月4日までの2週間延長を要請しましたが、政府の決定は7月11日までの3週間の延長でした(一度目の延長)。これに対して玉城知事は「(新規感染者数などの判断指標の)数値の回復を図る必要があると判断された」として国の決定を受け入れる考えを述べました。
宣言の再延長ではなく「まん延防止」措置を要請
これまでにない強い措置が効果を発揮し、7月に入って感染状況は徐々に落ち着きを取り戻し、病床にも比較的余裕が出てきたことから、7月5日に開催された沖縄県の専門家会議では、宣言解除とまん延防止等重点措置への移行を国へ要請すべきと提言されました。これを受けて6日には、まん延防止等重点措置へ移行した際の具体的な対処方針について、経済団体との意見交換なども行った上で、翌7日には知事から直接西村経済再生担当大臣に電話で措置の移行を要請し、午後にはその旨メディアへの取材にも応じていました。この時点で、ほとんど誰も、もしかすると知事本人も、宣言が再び延長されることを疑ってはいなかったのではないでしょうか。
突然の宣言再延長報道
7日午後、玉城知事がまん延防止等重点措置への移行を西村大臣に要請したと表明したわずか数時間後。各大手メディアは揃って東京とともに沖縄に宣言が発令されることを報道します。まさに寝耳に水。玉城知事も、この報道で初めて宣言が再延長されることを知ります。
「我慢だけでは持たない」
記者団にそう語った玉城知事は、翌朝8日の会見でも「ちょっと長いな、と正直そう思う」と県の意向を否定した国の決定に率直な思いを述べていました。