琉球銀行、2期ぶり減収減益 2021年3月期決算

 

 琉球銀行(川上康頭取)は、このほど2021年3月期の連結決算を発表した。売上高にあたる経常収益は前期比8.7%減の572億7800万円、経常利益は同44.4%減の38億4400万円で、2期ぶりの減収減益となった。当期純利益は同47.9%減の25億7900万円で、過去5年間で最低水準となった。

 経常収益の減少は、住宅ローンに係る手数料収入が増える一方で、国債等債権売却益や金融派生商品収益の減少によるもの。経常利益は与信費用の増加が影響した。

 川上頭取は、新型コロナウイルスの感染拡大が与えた影響について「20年度は景気が悪くなると想定していたが、ショックの大きさが想定以上であったことは間違いない。中長期的な意味での景気回復は大丈夫だと思っているが、足元は想定を上回るインパクトだった」と述べた。 

 その上で、「今決算で、引き当て金を含めて備えはできた。次年度以降は、あまり大きなわれわれの業績に対するダメージはないと思っている。これから回復過程に入る」との認識を示した。

 銀行単体の経常収益は、前期比12.0%減の373億7700万円で、経常利益は同57.3%減の22億9500万円。本業のもうけを示すコア業務純益は、同10.8%減の59億8700万円となった。

 貸出金残高は、新型コロナ関連の資金繰り支援などにより前期比3.04%増の1兆7987億円。一方で、貸出金利回りは、同0.05ポイント低下し、1.49%となった。

 預金残高は同10.38%増の2兆4911億円で、新型コロナ関連の資金繰り支援や定額給付の支給などにより残高は個人・法人ともに大幅に増加した。

 22年3月期の連結業績予想は、経常利益は前期比71.7%増の66億円。当期純利益は同78.4%増の46億円を見込んだ。

2021年3月期決算を発表する琉銀の川上康頭取=13日、那覇市の琉球銀行本店

 川上頭取は「ワクチン次第だと思っている。年度の中頃からはワクチンが普及して、徐々に景気が回復するというシナリオを持っている」との見通しを示した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

Print Friendly, PDF & Email

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ