琉球銀行、2期ぶり減収減益 2021年3月期決算
- 2021/5/31
- 経済
琉球銀行(川上康頭取)は、このほど2021年3月期の連結決算を発表した。売上高にあたる経常収益は前期比8.7%減の572億7800万円、経常利益は同44.4%減の38億4400万円で、2期ぶりの減収減益となった。当期純利益は同47.9%減の25億7900万円で、過去5年間で最低水準となった。
経常収益の減少は、住宅ローンに係る手数料収入が増える一方で、国債等債権売却益や金融派生商品収益の減少によるもの。経常利益は与信費用の増加が影響した。
川上頭取は、新型コロナウイルスの感染拡大が与えた影響について「20年度は景気が悪くなると想定していたが、ショックの大きさが想定以上であったことは間違いない。中長期的な意味での景気回復は大丈夫だと思っているが、足元は想定を上回るインパクトだった」と述べた。
その上で、「今決算で、引き当て金を含めて備えはできた。次年度以降は、あまり大きなわれわれの業績に対するダメージはないと思っている。これから回復過程に入る」との認識を示した。
銀行単体の経常収益は、前期比12.0%減の373億7700万円で、経常利益は同57.3%減の22億9500万円。本業のもうけを示すコア業務純益は、同10.8%減の59億8700万円となった。
貸出金残高は、新型コロナ関連の資金繰り支援などにより前期比3.04%増の1兆7987億円。一方で、貸出金利回りは、同0.05ポイント低下し、1.49%となった。
預金残高は同10.38%増の2兆4911億円で、新型コロナ関連の資金繰り支援や定額給付の支給などにより残高は個人・法人ともに大幅に増加した。
22年3月期の連結業績予想は、経常利益は前期比71.7%増の66億円。当期純利益は同78.4%増の46億円を見込んだ。
川上頭取は「ワクチン次第だと思っている。年度の中頃からはワクチンが普及して、徐々に景気が回復するというシナリオを持っている」との見通しを示した。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)