物流ハードル乗り越えて ボリビアと県の経済交流活性へ

 
ボリビア「オキナワ移住地」で行われた大豆の収穫(コロニア沖縄農牧総合協同組合提供)

 沖縄県出身者が戦後に開拓したボリビア東部のサンタクルス県にあるオキナワ移住地「コロニア・オキナワ」でボリビアと沖縄県の経済交流活性化などを目指す「Okinawa to 沖縄 プロジェクト」が動き出した。オキナワ移住地内の農作物などを県内企業に取引マッチングさせるほか、将来的には、海外各地のウチナーンチュへと経済交流を拡大させていく構想だ。
 日本から見てほぼ地球の反対側のボリビアは、その距離から輸送コストが高いイメージがあるが、実は安価に物流が実現できることから、両国をつなぐビジネスに期待が高まる。

ボリビアから沖縄「物流ハンディはない」

 ボリビアと沖縄は距離にして約19000キロ。さらにボリビアは内陸国という面で、物流コストが高いとの疑問や懸念も多くあったが、ボリビアの物産品を日米韓などに輸出するISHIMA S.R.L社(ボリビア)の島袋正克代表は「物流のハンディはない」と話す。

 島袋代表によると、ボリビアからの海上輸送コストは、太平洋を横断する航路である隣国チリ―横浜間に比べ、日本国内での輸送に切り替わった後の横浜―那覇間の方が高いという。

貿易業務やビジョンを語るISHIMA S.R.L社の島袋代表=ボリビア・サンタクルス市内

オキナワ―沖縄初めての経済交流

 「Okinawa to 沖縄 プロジェクト」の発端は、今年1月末にISHIMA S.R.L社の貿易仲介で、コロニア沖縄農牧総合協同組合(CAICO、ボリビア)から石垣牛などを生産・販売する農業生産法人ゆいまーる牧場(石垣市)に飼料用の全脂大豆20トンが輸出された事例である。

関連記事:ボリビアのオキナワから沖縄へ大豆輸出 歴史上初の経済交流|HUB沖縄

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