物流ハードル乗り越えて ボリビアと県の経済交流活性へ

 

 姉妹・友好都市でもあるサンタクルス県と沖縄県ではこれまでも文化交流は盛んに行われてきたが、県出身者がオキナワ移住地に入植して67年間の歴史の中で経済交流は初めてだった。ゆいまーる牧場の金城利憲代表の強い思いで実現したこの取り組みは県内外で注目され、新聞やテレビでも報道された。

 内陸国のボリビアにとって最大の課題であった輸送コストは、隣国チリ経由の輸出ルートを開拓して、抑えることに成功した。今回の輸出入ルートの開拓実現で、ゆいまーる牧場の飼料コストが4割減など大幅削減につながったという。肉牛生産において離島県・沖縄ならではのネックになっていた輸送コストの問題が改善された格好だ。

 今後は、更なる輸入展開に向け、ボリビアー沖縄間の輸送前後の全脂大豆の栄養素の変化比較、全脂大豆飼料の経済効果、肉牛の生育結果の分析データを収集した上で、定期的な輸入や同業者への展開に向けて働きかける予定だ。

 「Okinawa to 沖縄 プロジェクト」はボリビアでの生産品の輸出促進の他にも、沖縄企業の海外進出および製品・技術普及への協力、ウチナーンチュビジネスの新たな展開の創作、持続可能なビジネスの開発もビジョンに掲げている。

ボリビアから沖縄に届いた全脂大豆=那覇国際コンテナターミナル

移住地の輸出産業強化へ

 ボリビアのオキナワ移住地では、今回輸出された大豆以外にも、米や小麦、肉牛、豚が生産されており、さらにボリビア国内の他地域では、キヌア、チアシードなど輸出ポテンシャルの高い農作物も豊富に栽培されている。沖縄に輸出できる可能性のある優良農作物や産品の調査を行い、県内企業との取引のマッチング実現に向けて動いている。

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