物流ハードル乗り越えて ボリビアと県の経済交流活性へ

 

 去る5月上旬には、オキナワ移住地とサンタクルス市で行われたプロジェクトの説明会が行われた。ボリビア沖縄県人会の比嘉徹会長が会員らに「ここ最近オキナワ移住地ではボリビアを離れ、日本に行く若者が増えている。新しい産業を創ることで更なる経済発展と移住地への定住にもつながる」と未来への可能性と思いを伝えた。

プロジェクト説明会で会員に趣旨を伝えるボリビア沖縄県人会の比嘉会長=ボリビア・サンタクルス市内

沖縄の食料自給率の低さをカバー

 また、ISHIMA S.R.L社の島袋代表は、沖縄の食料自給率の低さも指摘し、このことを沖縄への農作物や加工品の輸出に向けた商機と捉えている。農林水産省の試算によると、カロリーベースで27%(平成30年概算値、全国平均は37%)で、この数値から生食に向かないさとうきびを除くと10%以下。さらには年々著しく低下傾向にある現状に、島袋代表は「だからこそ、ボリビアには可能性がある。約67年前にウチナーンチュがボリビアを開拓したが、まだ(産業面での)開拓は終わっていない。もう一度開拓しようじゃないか」と鼓舞した。

オンラインセミナー7月に

 プロジェクトには、JICAのサポートも加わる。これまでJICAボリビア事務所では、日本企業を中南米に派遣し、日本の民間企業とのビジネスマッチング及び連携を促進する「中南米日系社会との連携調査団の派遣事業(過去9回実施)」や日本企業の技術を活用した連携事業などを実施してきた。JICAボリビア事務所の小原学所長は「JICAが持つネットワークや実績を生かした事業で今後の展開をサポートしたい」と話す。

 まずは、沖縄県内の企業向けにボリビアと沖縄県をつないだオンラインセミナーをJICA沖縄と連携し、7月上旬に実施する。

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