ブルーシールがコラボ商品を出し続ける理由とは?山本社長に聞く
- 2021/6/5
- 経済
「ブルーシールアイスクリーム」を展開するフォーモスト・ブルーシール株式会社(浦添市、山本隆二社長)は、地元沖縄の事業者とコラボした新商品を立て続けに発売するなど、「沖縄のアイス」としての戦略を加速させている。背景には、昨年から続くコロナ禍で観光関連の売上が激減した結果、改めて地元のアイスクリームメーカーとして「わったー(我々の)アイス」としてあり続ける決意を新たにしたからだ。就任から約2カ月が経った山本社長に、沖縄のアイスメーカーたる矜持を聞いた。
「千手観音のように手を取り合って」
同社は3月に数量限定で、浦添市の「沖縄セラードコーヒー」が監修した、人気商品「ポーラベアー」の新フレーバー・カフェラテを数量限定で発売した。4月には本部町や町内事業者と協同で、町の特産であるアセローラとカーブチーをその味に取り入れたシャーベット「やんばるダブルシャワー」、県産のグァバ・シークヮーサーを各フレーバーにしたアイスバーを相次いで発売。より「沖縄色」を強めた商品展開をしている。
これについて山本社長は、ブルーシールが沖縄の歴史と共に歩んできたことを踏まえながら「沖縄の人に『わったーアイス』と思って頂けるように、なるべく地元のみなさんとつながって一緒に商品を作りたいと思います。(腕がたくさんある)千手観音のように、たくさんの人々や事業者と手を取り合って、点と点をつなぎ合わせることで、沖縄の企業さんと一緒に地元を盛り上げていけたらとの思いです」と話す。「全国展開の大手アイスメーカーではなく、沖縄のブルーシールだから実現できることだと思うんです」と、戦後間もない1948年以来、長年沖縄に根を貼ってきた同社の自負が表れている。
シークヮーサーとグァバのアイスバーの売上の一部は、沖縄県内のこどもの貧困解消を目指す取り組み「沖縄こども未来プロジェクト」に寄付するなど、社会貢献活動も続ける。